Shibunkaku Works

2019.10.07

Shibunkaku Works(シブンカクワークス)は、人文系の学術書・美術書を世に送り出してきた思文閣出版の別レーベルです。
ご依頼主様のご希望に合わせて、学術・文化の発展に寄与する良質な本づくりをお手伝いいたします。

 


 

菅田祐凖 著
『西山證空上人とその思想』
 
ひとは宿因のなかに生をうけ、苦悩のはてにいかに心の安寧を得、生きる力を見出していけばいいのか。
鎌倉期、乱世の時代、公家の一門に生を受けながら、自ら発心し、十四歳で法然上人の門に身を投じ出家した少年。その内心に何があったのか。名利を捨て、死後の往生はともかく、現身、ただ今の往生、「生き甲斐の念佛」を提唱した念佛者。その思想は、昏迷を極める現代に指針の光を灯すものと言えよう。
浄土西山流〈西山派〉の祖、證空上人。その生涯と上人像、宇宙的とも言えるひろやかな思想を、根本史料に基づき、著者の永年の研究と思索によって説き明かす。

■A5判・224頁・本体価格5,800円(税別)
ISBN 978-4-7842-2040-3

 


 

鈴木友和 著
『近世藩立医育施設の研究』
 
藩立医育施設は江戸時代、諸藩が競って設立した藩直営の医学教育施設である。これまで個別の施設の研究はかなり行われてきたが、その全体像は依然謎に包まれている。
本書はこの施設が医学の近代化上かけがえのない役割を果たしたのではないかとする想定の下、現代医学の一研究者が自由に、その構造と機能を調査・研究した記録である。
 
一般の人々には不慣れな古文書の資料を敢て多用し、読み下し文で愉しんでいただけるよう工夫を凝らしている。その結果、本施設の全体像がリアルとなり、医学教育史上の位置づけも行われた。本書は現代の医学教育の刷新に取り組む人々だけでなく、医学史に関心のある人々にも広く興味を持っていただけるだろう。

■A5判・288頁・本体価格2,500円(税別)
ISBN 978-4-7842-2026-7

 


 

公益社団法人 京都染織文化協会 監修/北野裕子 著
『忘れられた祭り 京都染織祭―恐慌・戦争・復興を駆ける―』
 
染織祭とは、昭和恐慌期に起こった祭りである。なかでも女性時代風俗行列は男性装束のみの時代祭と対比され、祇園祭にも匹敵する観客を集め、染織業界のみならず多くの業界がこれに便乗し、当時「京都四大祭りの一つ」と謳われた。古墳時代から八つの時代を重ね江戸時代末期まで、絢爛豪華な装束を着た女性たちが練り歩く、まさに衣装で綴る時代絵巻であった。

本書では、祭りを創設した京都染織業界、その中核となった京都染呉服商、さらに祭りを支援した京都市の動向を追っていく。長年謎に包まれていた祭りの実態を新出史料から解き明かし、恐慌・戦争・復興を駆け抜けた染織祭の意義を考える。

■B5判・88頁・本体価格1,500円(税別)
ISBN 978-4-7842-2016-8

 


 

京都文化博物館 企画・編集
『京都 祇園祭―町衆の情熱・山鉾の風流―』
 
2020年3月24日~5月17日に京都文化博物館で開催の同名展の公式カタログ兼書籍。災厄が降りかかるたびに、最高水準の芸術でもって復興を遂げてきた祇園祭の山鉾。その希少な懸装品や装飾品等から、祇園祭の歴史、現代に至るまでの様々な復興の様子を通覧する。

■B5判・250頁・本体価格2,500円(税別)
ISBN 978-4-7842-1987-2

 


 

堀江春美 著
『墨の興趣 短歌と墨紀行―堀江春美画集―』
 
「絵を描くこと 歌を詠むことは私にとって 生かされて在ることへの感謝であり 祈りであり 証しです」
理事として伝統ある日本南画院を牽引する堀江春美。水墨画と和歌という二つの表現方法で作品を生み出してきた、その創作の軌跡をたどる初の画文集。

■A4判・104頁・本体価格3,000円(税別)
ISBN 978-4-7842-1982-7