大航海時代の海域アジアと琉球
定価
10,450 円(税込)
本体 9,500円
在庫状況: 在庫あり

関連書籍

ダイコウカイジダイノカイイキアジアトリュウキュウ

大航海時代の海域アジアと琉球

レキオスを求めて

中島楽章 著

  • 体裁
    A5判上製・630頁
  • 刊行年月
    2020年08月
  • ISBN
    978-4-7842-1989-6

第64回日経・経済図書文化賞
第33回アジア・太平洋賞 特別賞
第41回沖縄タイムス出版文化賞
【2021年10月 2刷り出来】
【2022年12月 3刷り出来】

内容

大航海時代、海域アジアへ進出したヨーロッパの航海者や現地で勤務した商務官などがもたらす情報により、この地域に対するヨーロッパの地理情報は飛躍的に発達した。

一方この時期の東南アジアは「交易の時代」を迎え、中継貿易で栄えた琉球王国も盛んに活動していた。こうしたなかでヨーロッパ人たちが探し求めた伝説的なレキオス(琉球)も現実の地理認識のなかに組み込まれていく。

本書ではこれまで十分に活用されてこなかったヨーロッパの文献、地図などを縦横に用いることで、海域アジアの全体状況、ヨーロッパにおける地理認識の変化、さらに漢籍等の公式的な史資料からではとらえきれない古琉球期の琉球王国の活動を多角的に解明する。

【担当編集者より】
本書の試みはあたかも、漢文史料という一つの光源だけに照らされてきた古琉球の歴史に、別の角度から光を当てる作業のようです。ポルトガルやスペインの航海者たちが残した記録を博捜することで、これまで影に隠れて見えていなかった琉球王国の姿を浮かび上がらせることに成功しています。
海域アジアの各地からヨーロッパに、新たな、しかし必ずしも正確ではない情報がもたらされるたびに更新される世界認識、曖昧模糊とした伝説のレキオスがやがて像をむすび琉球王国が姿を表す過程はすこぶるおもしろく、引き込まれます。
言うまでもなく、この研究は多言語の資料を徹底的に比較、検討するという地道な作業の上に成り立っています。研究史に残る1冊として、自信を持ってお勧めします。


目次

序章 古琉球海外交流史とヨーロッパ史料

【第Ⅰ部 世界図と東アジア】

第1章 世界図の発達と東アジア
    ―プトレマイオス図からカヴェリ図まで
第2章 フランシスコ・ロドリゲスの地図(一)
    ―ポルトガルの海域アジア進出と世界図
第3章 フランシスコ・ロドリゲスの地図(二)
    ―最初のポルトガル系東アジア図
第4章 ジパングとパリオコ
    ―大航海時代初期の世界図と日本


【第Ⅱ部 ゴーレスとレキオス】

第5章 ゴーレス再考(一)―アル・グールとゴーレス
第6章 ゴーレス再考(二)―その語源問題をめぐって
第7章 マラッカの琉球人(一)―『歴代宝案』にみる
第8章 マラッカの琉球人(二)―ポルトガル史料にみる


【第Ⅲ部 レキオスを求めて】

第9章 レキオスは何処に
    ―ポルトガル人の琉球探索と情報収集
第10章 マゼランとレキオス
    ―スペインのアジア進出と琉球認識
第11章 レキオス到達(一)
    ―一五四二年、ポルトガル人の琉球漂着
第12章 レキオス到達(二)
    ―琉球情報の伝播と変容

終章 大航海時代の琉球王国



文献目録(史料・研究文献)
掲載図表一覧
索引
英文目次・要旨

紹介媒体

  • 「沖縄タイムス」

    2021年2月1日

    特集「第41回沖縄タイムス出版文化賞」紹介と著者受賞コメント

  • 『日本経済新聞』2021年11月3日付

    2021年11月3日

    杉原薫

    日経・図書文化賞受賞 書評

  • 『毎日新聞』2021年11月19日付

    2021年11月19日

    白石隆

    第33回アジア・太平洋賞 特集面 書評および著者の言葉

  • 『史学雑誌』第131編第4号

    2022年4月

    中砂明徳

    書評

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加