著者・編者略歴

こうの・もとあき…1943年生.静嘉堂文庫美術館館長・東京大学名誉教授・京都美術工芸大学元学長・『國華』元主幹.

内容

作品そのものに誠実に向き合い、画像・文献を問わずあらゆる史料を博捜する、堅実な学問的営為でありながら、広範な学識と鋭敏でしなやかな感性に支えられた叙述力で、その時代を生きた作家たちの息づかいまでが伝わる、豊饒な河野美術史の世界。

日本近世絵画史全体にわたる業績のなかから、知と美の共演というべき文人画研究を集大成。

乾山・大雅・蕪村・呉春・玉堂・竹田・米山人・文晁・崋山・・・彼らが中国文人画の影響のもと、何を学び、何を理想として、どのような画境へ到ったのか――生き方をも含めた研鑽の跡をたどる26篇。

【担当編集より】
 「廬を結んで人境に在り 而も車馬の喧しき無し ……」(陶淵明「飲酒其五」)
 本書を通じて私は、今となっては懐かしい学生時代を思い出すことができました。というのも、大学で中国語・中国語文学を専攻した私は、卒業論文のテーマとして、無謀にも陶淵明を選んだからです。そして、本書を読み進めるうち、当時はまったく知る由もなかった日本の文人画家たちにとっての陶淵明像というのも、うすぼんやり見えてきたような気がします。
「帰りなんいざ」。今度のお正月休みには、実家の本棚に眠っている斯波六郎著『陶淵明詩訳注』を読み返してみよう!! 

目次


第1章 日本文人画試論
第2章 日本文人花鳥画序説
第3章 日本初期文人花鳥画試論
第4章 江戸時代写生写意考
第5章 「写生」の源泉―中国―
第6章 日中の自然と山水画
第7章 日本文人画と中国憧憬



第8章 乾山文人画試論
第9章 大雅の詩―光と色の世界―
第10章 大雅二十代の作品―沈鬱と偏執と緊張―
第11章 大雅指墨試論
第12章 結城・下館時代の蕪村画
第13章 蕪村の微光感覚
第14章 行路の画家蕪村―その旅立ち―
第15章 池田時代の呉春



第16章 玉堂と酒
第17章 米山人伝小考
第18章 米山人と武陵桃源
第19章 竹田と画帖―大和文華館所蔵「翰墨随身帖」を中心に―
第20章 真景の理想化―竹田の山水図―
第21章 田能村竹田の勝利
第22章 関東南画の成立と展開
第23章 文晁と藍瑛
第24章 文晁の中国画学習―『顧氏画譜』と『漂客奇賞図』―
第25章 文晁の中国画学習―『書画甲観』と『集古十種』―
第26章 崋山と江戸絵画

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