コダイニホンノイフクトコウツウ

古代日本の衣服と交通

装う王権 つなぐ道

武田佐知子 著

  • 体裁
    A5判上製・420頁
  • 刊行年月
    2014年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1723-6

著者・編者略歴

たけだ・さちこ…1948年生。東京都立大学人文科学研究科博士課程修了(史学専攻)。大阪大学大学院文学研究科教授。
『古代国家の形成と衣服制』(吉川弘文館、1984年)『信仰の王権 聖徳太子』(中公新書、1993年)『衣服で読み直す日本史』(朝日選書、1998年)など著書多数。

内容

衣服と交通―、そしてそこから派生する境界・王権・民族標識・異性装などの諸問題……。これらは古代国家の形成、律令国家による国家統合等を考えるさいのキーワードとなる。
著者による長年の研究成果を集成。


衣服が着用される儀礼の空間としての都と地方が、連続した人工的空間としての道路で結ばれていること、その道路の国家と公民における意味、そこでの衣服の機能などを考察の対象とした諸論考を冒頭に配し、古代の中国や朝鮮半島の衣服を継受しながら形成されてきた日本列島の衣服制を見通す。

目次

まえがき
 
 第1部 古代国家と交通

第1章 古代における道と国家

第2章 古代における都と村

第3章 二つのチカシマに関する覚え書き―古代の国際的交通をめぐって―

第4章 古代環日本海交通と渟足柵


 第2部 民族標識・異性装

第1章 「魏志」倭人伝の衣服について―「横幅」衣・「貫頭」衣の位相―

補論1 『一遍聖絵』に見る時衆の衣服―阿弥衣と袈裟―

補論2 笠の山―境界をめぐる一試論―

第2章 日本古代における民族と衣服

第3章 律令国家と蝦夷の衣服―民族標識としての衣服―

第4章 奉翳美人の「男装」について

第5章 男装の女王・卑弥呼


 第3部 王権と衣装

第1章 大化の冠位制について―吉士長丹像との関連で―

第2章 王権と衣服

第3章 古代天皇の冠と衣服―中国衣服制の継受をめぐって―

第4章 服飾と制度―冠位から位階へ―


初出一覧
掲載図版一覧

紹介媒体

  • 『日本史研究』633号

    2015年5月

    佐藤早紀子

    書評

  • 『地方史研究』375号

    2015年6月

    永井瑞枝

    新刊紹介

  • 『総合女性史研究』32号

    2015年3月

    永島朋子

    紹介

  • 『日本歴史』827号

    2017年4月1日

    永田英明

    書評と紹介

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加