近世京焼の研究
定価
6,930 円(税込)
本体 6,300円
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著者・編者略歴

おか よしこ…1954年福岡県生.1981年京都女子大学大学院文学研究科修士課程修了.京都市社会教育振興財団職員,京都市歴史資料館嘱託を経て,現在,大手前大学総合文化学部教授.2008年博士(芸術学 筑波大学).
〔主要著書〕『寛永文化のネットワーク―「隔蓂記」の世界』(共編著,思文閣出版,1998年).『国宝 仁清の謎』(角川書店,2001年).『窯別ガイド 日本のやきもの 京都』(淡交社,2003年).

内容

近世の京焼、すなわち桃山時代から江戸時代末まで京都で焼かれたやきものの窯業的な変遷を、文献史料と出土資料によって明らかにし、そこに野々村仁清・尾形乾山・奥田穎川・仁阿弥道八など京焼の名工たちの生涯と作品を位置づけ、近世京都の特質を明確にした。
名工たちの陶業を産業としてとらえ、技術の系譜や産業的な展開、受容層のあり方、流通・市場の動向などの視点から京焼陶工の実態やその作風、あるいは京焼の通史を見直した一書。

目次

序章 「京焼」研究史をめぐって
幕末の「京焼」/殖産興業策のなかの「京焼」/名工研究の進展/戦後の「京焼」研究へ


  第一部 「京焼」の創始と諸国のやきもの

第一章 京焼の黎明―軟質施釉陶器の時代―
天正期の「今ヤキ」/関西出土の軟質施釉陶器/慶長期の「今ヤキ」の展開/「京ヤキ」の登場

第二章 桃山から江戸時代初期の茶陶流通と京都
瀬戸物屋の情景/古田織部と三条の瀬戸物屋たち/瀬戸物屋から唐物屋へ


  第二部 京焼窯場の成立と仁清

第三章 登窯の導入と内窯窯場の展開
登窯の導入と十七世紀の京焼窯場/内窯窯場の展開

第四章 京焼の茶入
京焼茶入の評価/粟田口焼の茶入/文献にみる御室焼茶入/御室焼茶入の実相

第五章 京焼のなかの高麗茶碗
京焼と国焼の高麗茶碗/御室焼高麗茶碗の諸相

第六章 京焼のなかの御室焼―仁清色絵茶碗を中心に―
御室焼の展開/仁清の茶碗/仁清の色絵


  第三部 京焼の展開と乾山

第七章 前期清水焼の諸相
茶碗屋清兵衛窯の盛衰/清水寺と清水焼

第八章 京焼色絵の展開―いわゆる「古清水」をめぐって―
出土資料にみる窯業生産の展開/十七世紀後期の京焼色絵/京焼色絵の変容

第九章 京焼のなかの乾山焼
乾山焼の創始/鳴滝窯の乾山焼/二条丁字屋町の「焼物商売」/乾山様式の継承


  第四部 後期京焼の諸相

第十章 後期京焼の胎動
粟田口焼の展開/清水・五条坂の展開/京焼と信楽焼

第十一章 後期清水焼の変遷
清水焼の復興/清水焼窯場の拡大/十九世紀の清水焼

第十二章 京焼における復古と創造
奥田穎川と初代清水六兵衛/仁阿弥道八の乾山復興

第十三章 京焼陶工と国焼
京焼陶工たちの系譜/京焼陶工の下向/京焼と国焼

終章 まとめにかえて
概要/総括



既出一覧
あとがき
図版一覧
索引

紹介媒体

  • 「京都民報」第2483号

    2011年4月24日

    木立雅朗

    読書

  • 『陶説』8月号(第701号)

    2011年8月1日

    小野公久

    新刊紹介

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