著者・編者略歴

きんだ あきひろ

1946年 富山県生
1969年 京都大学文学部史学科卒業
1974年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学
1979年 京都大学文学部助教授
1993年 博士(文学)
1994年 同 文学部教授(改組により大学院文学研究科教授)
2001~04年 同 大学院文学研究科長・文学部長,副学長,理事などを歴任
2008年4月 大学共同利用機関法人・人間文化研究機構の機構長に就任,京都大学名誉教授
現在 史学研究会理事長・人文地理学会会長

〔主要著書・編著書〕
『条里と村落の歴史地理学研究』(大明堂,1985年)
『オーストラリア歴史地理』(大明堂,1985年)
『微地形と中世村落』(吉川弘文館,1993年)
『古代日本の景観』(吉川弘文館,1993年)
『オーストラリア景観史』(大明堂,1998年)
『古代荘園図と景観』(東京大学出版会,1998年)
『古地図からみた古代日本』(中央公論新社,1999年)
『古代景観史の探究』(吉川弘文館,2002年)

内容

古代日本の条里制から世界地図まで、歴史地理学のおもしろさを紹介するとともに、グローバルな研究を展開してきた著者が折りに触れて書き継いできた諸論稿をまとめる

目次

Ⅰ なりわいと大地
         
1.道行く人びと
政治の道・負役の道/行軍の道・市への道/参勤の道・参宮の道/結ぶ道・切り離す道

コラム①久我縄手―古代山陽道の遺構―

2.景観史への道程―「条里制」研究から何が見えるか―
「条里制」の理解と誤解/条里地割の基本的属性/条里地割の規格・規模・施工基準/条里プランの起源と特性/条里プランの機能とその変遷/条里地割内部の土地利用と条里地割の重層性/景観史の視角

3.町と村の発達―宇治と巨椋池周辺―

コラム②織田信長・豊臣秀吉の土木工事―木曽川の築堤―

Ⅱ はるかなる大地

4.英国の世界認識と世界覇権                  
-ガリバーからゴールドラッシュへー 
ガリバーの遭難地点/新オランダからオーストラリアへ/ビッグ報告の波紋とオーストラリアの幸運/地球の反対側への旅程/クリッパー型帆船とゴールドラッシュ/蒸気船とスエズ運河

5.世界の大地への関心
―「新訂万国全図」の編集過程をめぐって―
はじめに/高橋景保による説明/「新訂万国全図」の成立過程と「原本」/「新訂万国全図」の表現内容と「原本」/「新訂万国全図」の性格

6.北海道殖民地区画の特性と系譜

コラム③広野新田―台地の開発―

  Ⅲ 禍福おりなす大地

7.古代都市の情景
はじめに/国府の形態と構造/『万葉集』と越中国/『風土記』と出雲国府/『菅家文章』と讃岐国府/『万葉集』『菅家後集』と大宰府

コラム④出雲国府復原模型

8.南海道―直線道と海路・山道―
海と山岳に寸断された道/南海道の変遷/官道と土地計画/国府と駅・港津

9.琵琶湖岸の変遷と土地利用
―近江国高島郡木津荘域の条里プラン―
はじめに/既往の条里プラン復原とその問題点/「木津荘検注帳」の記載とその現地比定/「木津荘引田帳」「二宮神田帳」による検証/おわりに

10.禍福おりなす大地
地震/破堤/常襲地

Ⅳ 時空を越えたまなざし

11.文化の探求―時空を越えたまなざし―
文化の形成と再生/文化の伝播と変容/おわりに

  あとがき
  挿図一覧
  初出一覧

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