説話研究を拓く
本体価格
9,000 円(税別)
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内容

説話とは何か?

まったくの創作でもなく古記録でもない、このつかみどころのない作品たちはなぜ生まれ、いかに編纂され、そして伝えられたのか。

日本史学や日本文学、宗教学、文化史学の研究者が一堂に集い、「説話」という文学ジャンルを解明すべく企図された、国際日本文化研究センター共同研究の成果。

説話文学と歴史史料の間を往還しつつ、説話研究に新たな地平を拓く。

【担当編集者より】
編者の倉本一宏先生が国際日本文化研究センターで主宰した共同研究の成果が本書です。
 参加メンバーは大御所・ベテランから新進気鋭の若手まで、そして今回は文学と歴史というふだん交流の機会が少ない他分野の研究者たちがともに議論する貴重な場でした。
 この研究会の出席率は、数ある日文研の共同研究の中でも顕著に高かったそうですが、それは毎回刺激的な議論が交わされた証拠ともいえると思います。そんな共同研究の成果をまとめた本書は、書名にたがわずこれからの「説話研究」を切り拓いてくれるものと思います。

目次

第一部 説話と歴史史料
歴史叙述としての説話(小峯和明)
文学の側から読んだ公家日記―『明月記』の月―(池上洵一)
『弘安源氏論義』をめぐる故実と物語(前田雅之)
京洛の境界線―文学・古記録における平安京の内外認識―(龔婷)
高麗文宗が求めた医師(榎本渉)


第二部 説話の生成
「コノ話ハ蓋シ小右記ニ出シナラン」考―『小右記』と説話との間に―(倉本一宏)
古今著聞集と文体―漢字文の混入と諸相―(野本東生)
紅梅殿の壷と編纂―説話集を中心として―(藤本孝一)
源隆国の才と説話集作者の資質をめぐる検証―研究史再考をかねて―(荒木浩)
『宇治拾遺物語』の吉野地震伝承―大己貴命にさかのぼる―(保立道久)
“和歌説話”覚書(中村康夫)
足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程(呉座勇一)
新しい世界の神話―中世の始まり―(古橋信孝)


特集 説話の国際性
日本とベトナムの十二支の違い(グエン・ヴー・クイン・ニュー)
丁部領王の説話とベトナムのホアルー祭 (ゴ・フォン・ラン)
『三国遺事』と『日本霊異記』の観音説話について(宋浣範)
ベトナムの『禅苑集英』における夢について(グエン・ティ・オワイン)
占城王妃の叙述をめぐって(佐野愛子)
 ―『越甸幽霊集録』および『大越史記全書』から―

第三部 内在する歴史意識
称徳天皇と道鏡―『古事談』巻一巻頭話考―(蔦尾和宏)
『長谷寺験記』編纂と下巻三十話の役割(内田澪子)
『拾遺往生伝』の歴史意識と文学意識(川上知里)
中世における説話集編者の歴史認識―『古事談』と『古今著聞集』―(松薗斉)
「宝剣説話」を耕す―公武合体論の深層―(関幸彦)
戦国期の説話集『塵塚物語』(五味文彦)
歴史文学と多重所属者(樋口大祐)
 ―慈光寺本『承久記』における三浦胤義について―
変貌する新田氏表象(谷口雄太)
 ―「足利庶流」(足利一門)と「源家嫡流」(非足利一門)の間に―

第四部  説話の変容
日記と説話文学―円融院大井川御幸の場合―(伊東玉美)
武内宿禰伝承の展開―武内宿禰神格化の様相を中心に―(追塩千尋)
『発心集』蓮華城入水説話をめぐって(木下華子)
ヤマトタケル研究の新しい可能性(井上章一)
 ―同性愛と性別越境の比較をめぐって―
『夷堅志』のシラミと『古今著聞集』のシラミ(渡辺精一)
新しく作られる歴史と神話(魯成煥)


研究会の記録
説話・史料名索引
執筆者紹介

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