内容

古代日本の「記紀神話」、神社内で作成され管理されてきた「神社神話」、中世日本の各種資料に見える神話の異伝、毘沙門天が登場する「仏教神話」、そして中世神話『貴船の本地』などを多角的に論じる。

とりわけ古代から中世にいたる貴船神話を主たるモチーフとして、その伝承や資料から神話文学論を展開している点が、本書の特徴である。

神話をとおして日本文学をより豊かに読みとくうえで、必読の一書。

【担当編集者より】
貴船にたいしてさまざまなイメージをお持ちの方が多いと思います。その現在あるイメージがどのように生み出されたか、をたどるヒントになるのが本書です。古代以来、貴船神社のもつ豊かな「神話」という素材をベースに、とりわけ中世へと至る混沌とした部分を扱っているところが、本書の読ませどころです。貴船だけではなく、記紀神話をはじめ神話全般に関心のある方にもおすすめです。

目次

第Ⅰ部 貴船の神々と神話
第1章 神社神話の遡源―貴船神社の神話(1)―
第2章 神社神話の降臨―貴船神社の神話(2)―
第3章 神々の尻尾―神社名における「尾」の意味―


第Ⅱ部 古代中世の神話文学
第1章 記紀神話の構成―神話対照表を読む―
第2章 中世神話と和歌・注釈書―藤原良経「天の戸を」歌と天岩戸神話異伝―
第3章 仏教神話の転生―四天王・吉祥天女前生譚―
第4章 仏教神話の軌跡―美女を救った技能者たち―


第Ⅲ部 中世神話『貴船の本地』論
第1章 鬼の名と『法華経』
第2章 転生再会の方法
第3章 地鎮の呪法―家を七七に造ること―
第4章 鬼を食う五節供
第5章 鬼殺しの年中行事―節分・門松・左義長―
第6章 中世神話『貴船の本地』と貴船神社
補論 漢字「鬼」と和語「おに」についての基礎的考察

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加