オカクラテンシン イヅラカラセカイヘ

岡倉天心 五浦から世界へ

茨城大学国際岡倉天心シンポジウム2016

茨城大学社会連携センター・五浦美術文化研究所 編 

  • 体裁
    A5判・216頁
  • 初版年月
    2018年02月
  • ISBN
    978-4-7842-1931-5

内容

 東洋の美術を世界に知らしめた岡倉天心が晩年の10年間を過ごしたのは、都会から遠く離れた茨城の北端・五浦(いづら)であった。太平洋を臨む岸壁に六角堂を構えた天心は、五浦とボストンという真逆の環境を往復する生活の中で何を思い、『茶の本』を書いたのか。五浦での生活と思索は、天心に何をもたらしたのか。
 2016年9月に行われた国際シンポジウムの記録を再構成し、書籍化。シンポジウム2日目に行われた、「天心遺跡」を訪問するツアー「北茨城市 五浦探訪」や「オペラ『白狐』ハイライト」などの記録も収載。附録として、2011年の東日本大震災で流出した六角堂の復元記録、天心の主要な遺品の解説をカラーで掲載。六角堂と『茶の本』から天心の思想をひもとき、「天心とは何者か?」に迫る。

【担当編集より】
 日本美術院の五浦移転は「都落ち」というネガティブなイメージで捉えられがちですが、本書は「五浦なくして『茶の本』なし」という大胆な宣言から始まります。日本近代美術史をつくりあげるだけでなく、国外にも広く影響を与えた岡倉天心の晩年の思想を育んだのは北茨城の厳しくも豊かな自然であり、本書は「この地(五浦)を理解せずには天心の思想も理解できないのではないか」という問題意識に貫かれています。天心について語った本は山のようにありますが、「五浦」という土地の重要性をこれほど深く検討した本は他にありません。ただのシンポジウムの記録集と侮るなかれ。大学と社会の連携、地方創生の意味でも新たなチャレンジを試みた一書です。

目次

はじめに―「五浦から世界へ」(藤原貞朗)

【シンポジウム1日目】 
 1日目プログラム
 主催者開会挨拶 (三村信男)/開会挨拶 (那波多目功一)

 〔記念講演1〕岡倉天心と文化財(青柳正規)
 〔記念講演2〕岡倉覚三とボストン美術館―東西の出会い (アン・ニシムラ・モース)

 〔講演1〕スワーミー・ヴィヴェーカーナンダと岡倉天心―インドと日本の架け橋 (スワーミー・メーダサーナンダ)
 〔講演2〕文化を演出する―イザベラ・スチュワート・ガードナーと北東部女性エリートから得た信頼 (ヴィクトリア・ウェストン)
 〔講演3〕六角堂と『茶の本』の「はたらき」(小泉晋弥)
 〔講演4〕『茶の本』とオペラ台本《白狐》 (清水恵美子)

 〔パネルディスカッション〕天心の思想と現代的意義を探る―インド×ボストン×五浦×文化×芸術

 閉会挨拶(影山俊男)/出席者略歴


【シンポジウム2日目】 
 2日目プログラム
 シンポジウム2日目報告(清水恵美子)
 講師略歴

シンポジウム後記/共催・後援・協賛パートナー一覧

〔附録1〕六角堂 再建の軌跡
〔附録2〕六角堂は茶の本からはじまる
〔附録3〕天心を理解する一〇の遺品―茨城大学五浦美術文化研究所所蔵品紹介

編者代表あとがき/索引

紹介媒体

  • 『淡交』5月号

    2018年5月1日

    書棚に一冊

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