近代茶道の歴史社会学
定価
7,150 円(税込)
本体 6,500円
在庫状況: 在庫あり(美本なし)

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内容

「伝統文化とは近代に自己変革に成功した文化である」との近代茶道史テーゼにもとづき、近代国家の文化的アイデンティティの生成構造面から、茶道が日本の「伝統文化」として認知されるようになった過程を考察する。

目次

序章 知識人と茶の湯
知識人の役割/国粋としての茶道/「骨董いぢり」と道具鑑賞/アカデミズムとの交流/生活の視点/美と創造性/茶の湯の教養化

 第一部 近代茶道の三つの転換期 

第一章 明治31年と想像の共同体
「国粋」と明治31年/メディアと想像の共同体/女性の国民化と茶道/家庭と近代家元制/外からの目とグローバリゼー
ション
第二章 茶道の記号化と昭和4年-芸術概念の拡大をめぐって
芸術社会学の視点/芸術ととらえるパラダイム/『茶の本』
から『茶道』へ/昭和4年の背景
第三章 『茶道全集』と利休・芸術・生活
刊行時の利休および茶道認識/『茶道全集』の構成と芸術への意識/茶道と芸術を結ぶ生活/利休の古典化
第四章 皇紀2600年の利休-秀吉の近代的受容を手がかりに
利休350年忌/昭和北野大茶湯/豊公300年祭/利休流
茶道観の普及/近代日本の願望と象徴化

 第二部 伝統文化の解釈者たち 

第一章 岡倉天心の美術主義的文明論-『東洋の理想』の構想力
『東洋の理想』の論理/文明論としての構造/政治的次元からの評価をめぐって
第二章 岡倉天心のメタ・ナショナリズム-『日本の覚醒』の分析力
『日本の覚醒』の論理/ナショナリズムの社会学/時論としての評価をめぐって
第三章 岡倉天心の日本文化論-『茶の本』の対位法
『茶の本』の論理/利休の位相/文明論としての茶主義
第四章 小宮豊隆の茶道受容をめぐって-近代的芸術観と伝統文化理解
巨人を映す鏡から時代を映す鏡へ/小宮豊隆の知的形成過程/小宮芸術論の「型」/茶道論への展開とその射程/社会的受容過程における意義
第五章 柳宗悦と生活
失われんとするものへ/茶の美の規定/利休への特異なスタンス/茶禅一味論として/「眼の革命」をめぐって

第三部 茶道への理論的アプローチ 

第一章 茶の消費史研究序説(消費社会論)
茶道への視点/担い手の論理の射程/価格形成の前提/価値判断の社会性/情報としての社会的評価/記号としての価値/歴史的展開の可能性
第二章 芸術としての茶と身体(システム論)
茶の芸術論的位置付け/点茶七要論の視角/システムの視点
第三章 茶道文化継承の外的条件(物産複合論)
『茶の本』での定式化/宣教師と茶/太閤秀吉と茶/「伝統文化」としての開花

終 章 茶道文化論の現代的課題-文化的アイデンティティと茶道
茶道文化論の構造/茶道文化論の生成構造/文化論の現在/利休以降400年

補 論 歴史社会学の視点

初出一覧
あとがき 
索引(人名・事項・文献)

紹介媒体

  • 週刊読書人

    2008年2月22日

    小田部胤久

  • 炎芸術夏号(No.94)

    2008年5月1日

    陶芸ブックレビュー

  • 茶道文化

    2008年5月1日

    中村修也

    書評

  • 儀礼文化ニュース

    2008年5月20日

    書棚

  • 『茶の湯文化学』15号

    2008年7月1日

    廣田吉崇

    書評

  • 『日本歴史』第729号

    2009年2月1日

    木塚久仁子

    書評と紹介

  • 『社会学評論』59巻4号

    2009年3月31日

    竹中均

    書評

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