利休の茶の花
本体価格
3,700 円(税別)
在庫状況: 残部僅少

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著者・編者略歴

くわはら・そうてん・・・1968年東京都生。芸術学博士。裏千家学園を経て、宝塚造形芸術大学大学院博士課程修了。
現在裏千家教授として、裏千家茶道教室を主宰する。茶道・茶花講師、(株)JAL インフォテック、日本アイ・ビー・エム(株)茶修会、鎌倉女子学院特修科の講師を務める。
茶花講演会、添釜等、華道家や陶芸家、古美術家とのコラボレーション茶会、茶事等にて広く活躍。日本の伝統藝術の「古典」と「革新」を次世代に伝える。

内容

茶席では掛物と並ぶ重要な役割を持つ茶花。茶聖・千利休の生けたその花とは、どのような花だったのか――
現代ではそれぞれ独立したものとして語られる「いけばな」と「茶花」。その成立過程をさかのぼることで、両者の根源にある共通性を明らかにし、いけばなが利休に与えた影響と、その花に込められていた思想を探る。
また、初代池坊専好と利休との交流を、本書が初めての翻刻となる『齢花集覧』所収の伝書など、それぞれの史料を精緻に比較することで描き出し、これまでほとんど論じられてこなかった利休の花の成立背景を池坊の花の流れと共に考察する。


■担当編集者より■
千利休と池坊専好(初代)という二人のカリスマが同時代に存在しながら、まったく関係を持たなかったと考える方が難しいかもしれません。
しかしそれを記した史料は、ほぼないと言っても過言ではないようです。

本書では、『齢花集覧』所収の「古哲生花四箇伝」奥書に残された、利休・専好の師弟関係についての文言を端緒として、両者がいけた花に通底する思想を丁寧に追っていきます。
果たして二人はどのような関係にあったのでしょうか。

目次

序論
 一、本書の構成
 二、茶の花に関する従来の研究
 三、取り扱う基本的な諸史料にについて

第一章 生花の成立過程
 一、池坊における生花の登場とその歴史的背景―池坊専慶から二代専好まで―
  池坊専慶/池坊専応/池坊専栄/池坊専好(初代)/池坊専好(二代)
 二、伝書および同時代の記録からの検討
  『仙伝抄』に見られる生花の風体/『専応口伝』より読み取れること/専栄が『専応口伝』に「生花の事」の項目を加えた意味/初代専好の活躍―『百瓶華序』よる窺える評価/『抛入花伝書』と『生花伝書』の関係―生花の伝書の成立
 三、立花に対する生花の地位の確立

第二章 利休の茶の花の変化―利休の花に関する記録より―
 一、利休の花に関する諸記録からの検討
  利休の花についてのもっとも古い記録―『松屋会記』/利休と白き花―『宗湛日記』/茶の花は侘び茶の思想と趣向の表現―『南方録』/茶の花の真髄―『山上宗二記』
 二、池坊の生花と利休の茶の花における思想の共通性

第三章 利休と初代専好の関係
 一、「古哲生花四箇伝」からの検討
  谷貫室咲之事/一輪花之事/葉無花花無葉之事/瓢之事
 二、服部英翁『生花伝書』との比較
  絵図の比較/奥書の比較/作例より読み取れる特徴
 三、『齢花集覧』と『生花伝書(服部)』によって証し得ること

第四章 利休と専好にまつわる逸話
 一、茶席の花―『江岑夏書』『江岑咄之覚』『逢源斎書』より―
  白い花/竹の花入/利休と初代専好の交わり/禁花/立花と茶の花に共通する格
 二、利休の人物像―『茶話指月集』より―
  赤き花と牡丹/一輪の朝顔の花/紅梅の生け様/利休の審美眼
 三、利休と初代専好の通い合う心

結語


謝辞
いけばな文化史と千家年表
参考図版

紹介媒体

  • 「茶華道ニュース」

    2016年12月1日

    紹介

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