著者・編者略歴

なかむら・しずこ…東京都世田谷区に生まれる。2012年宝塚造形芸術大学(現宝塚大学)大学院博士課程修了。芸術学博士。裏千家正教授。専攻 伝統芸術。

内容

「利休の孫」として知られる元伯宗旦――その生涯は病気がちで不分明な部分が多く、残された史料から全体的な姿を解明することは難しい。
徳川幕府体制が確立し、大名茶全盛を迎えた時代に、誰に仕えることなく自身の茶の湯を追求し続けた宗旦の姿を、多数の史料を丁寧に読み解くことで複眼的に究明する。

目次

 
 第一章 元伯宗旦研究序説
 一、宗旦をめぐる従来の研究                 
 二、基礎的な諸史料
 三、宗旦活躍時の時代背景―宗旦とその時代

 第二章 宗旦の生涯をめぐる諸問題
 一、宗旦の祖父をめぐって                 
 二、道安と少庵との関係                 
 三、宗旦の病気と経済状態

 第三章 茶の湯者宗旦形成にかかわる要因
 一、宗旦と禅との関係                 
 二、宗旦の茶の湯の土台となる利休の茶の湯

 第四章 宗旦の茶の諸相
 一、人的交流に見られる宗旦の茶の湯            
 二、宗旦の茶室                      
 三、茶会記に見られる茶の諸相
 四、侘びの道具 一閑張                

 第五章 宗旦の侘び茶
 一、侘びについて
 二、『本阿弥行状記』の隠逸の茶人に対する批判
 三、「心の文」に見る芸道の理想の姿
 四、中世芸道者の求めた風体
 五、宗旦の求めた冷え枯れの風体         
 六、名人宗旦                      
 七、宗旦の「軽み」                   

 第六章 宗旦の後継者たち
 一、宗旦の子供たち 三千家成立と宗旦の役割
 二、宗旦の弟子衆


むすびに
資料(壬生忠利『忠利宿禰記』/近衞尚嗣『茶湯聞塵』)
索引(人名/事項/史料)

紹介媒体

  • 「茶華道ニュース」

    2014年9月15日

    紹介

  • 『淡交』12月号

    2014年11月

    書棚に一冊

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加