内容

 野村證券を中核とする野村グループの創始者・得庵野村徳七(明治11年~昭和20年)は、一代で野村財閥を築き上げた大実業家であると同時に、茶の湯・能楽にも全身全霊で打ち込んだ偉大な数寄者であった。
 得庵の文化遺産の精華は、京都の別邸碧雲荘(重要文化財)と、その隣で得庵のコレクション3000点を所蔵・展示する野村美術館に伝えられている。
 本書は、野村美術館設立30周年記念事業として、野村得庵の文化活動に焦点を当て、各分野の第一人者が論文集の形でまとめる伝記。1951年発行の『野村得庵』全三巻以降新たに発見された史料や最新の研究動向をふまえ、新たな得庵像を提示する。図版多数。

目次

カラー口絵16頁

ごあいさつ(野村明賢・野村文華財団理事長)
序文(渡部賢一・野村ホールディングス株式会社 常任顧問)

得庵と碧雲荘(中村昌生・京都工芸繊維大学名誉教授)
得庵の古画蒐集(河野元昭・東京大学名誉教授)
得庵の能楽再考―『野村得庵』以後の知見を中心に―(天野文雄・大阪大学名誉教授)
得庵の茶の湯再考(谷晃・野村美術館館長)
得庵の建築(矢ヶ崎善太郎・京都工芸繊維大学准教授)
得庵蒐集の美術工芸品について(守屋雅史・大阪市立美術館学芸課長)
得庵と煎茶―碧雲荘内「北泉居」煎茶飾記を中心に―(舩阪富美子・神戸大学研究推進部)  
《翻刻》野村得庵筆蔵帳『文房具・煎茶器』(舩阪富美子)
得庵と近代画家(松尾敦子・野村美術館学芸員)
棲宜荘建築図面の復元(柚木憲一・財団法人地域総合整備財団理事長)


英文サマリー
英文目次

紹介媒体

  • 「茶華道ニュース」

    2013年11月15日

    紹介

  • 『月刊美術』12月号

    2013年11月20日

    ART BOOKS

  • 『日本古書通信』12月号

    2013年12月15日

    受贈書目

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