近代の「美術」と茶の湯
本体価格
6,400 円(税別)
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平成25年度茶道文化学術奨励賞(大日本茶道学会)

著者・編者略歴

よだ・とおる…1977年、山梨県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科芸術学専攻、博士後期課程を修了。美術博士。元さいたま市大宮盆栽美術館学芸員。日本近代美術史、茶道史を専門とし、主な論文に「日本美術史における茶の湯」(『國華』1292号、2003年)、編著に『十三松堂茶会記―正木直彦の茶の湯日記―』(宮帯出版社、2013年)など。

内容

明治維新で価値を落とした茶道具は、どのようにして美術作品として再評価されるようになったのか?
千利休と岡倉天心に注目し、近代美術史の視点から、明治以降の茶道具の評価を捉え直す。
美術作品と茶道具の境界線を問う、革新の一書。

目次

序 論 「美術」と茶の湯
「美術」と「工芸」のはざま / 「名物記」と「伝来」 / 東京と京都の茶の湯

第1部 茶道具評価の変容

第1章 日本美術史における茶の湯
美術史言説における茶の湯 / 造形論と「わび」 / 茶人の審美観
第2章 文化財指定と茶道具―「美術」と趣味世界の境界―
旧国宝陶磁器における中国・朝鮮と日本の差 / 指定制度における茶碗と茶入の差異 / 茶室・釜・茶掛に見る文化財の領域


第2部 茶の湯の文化価値の創出

第3章 明治期の文化論と茶の湯―西洋文化と東洋文化の相克―
欧米人の見た日本文化―モースとフェノロサ― / 夏目漱石の抹茶趣味批判 / 岡倉覚三と日本文化論
第4章 『茶の湯』の成立と構造―岡倉覚三の美術論との関係から―
岡倉覚三と茶の湯 / 『茶の本』の成立と構造 / 「不完全」と「美への殉教」


第3部 理論整備と作家制作

第5章 「美術」と「茶の湯」の仲立ち―今泉雄作と陶磁器研究会の茶道具論―
今泉雄作と陶磁器研究の草創期 / 今泉雄作と高橋義雄の茶道具論 / 陶磁器研究会の茶道具論
第6章 「美術」作家による茶道具制作―大正期の板谷波山と香取秀真―
板谷波山の茶陶 / 香取秀真の茶の湯釜 / 茶道具制作と東京美術学校


第4部 茶道具の「美術作品」化

第7章 近代の千家道具―千家と楽焼・永楽焼―
千家道具と博覧会 / 楽焼と「美術」 / 永楽家と千家像
第8章 茶碗イメージの変遷―《不二山》《卯花墻》《大黒》―
本阿弥光悦と《不二山》 / 桃山陶磁と《卯花墻》 / 利休論と《大黒》


第5部 「芸術家」利休の誕生

第9章 日本美術史における茶入―小堀遠州・松花堂昭乗から千利休へ―
「美術」と小堀遠州の意匠 / 松花堂昭乗の茶道具と絵画 / 長谷川等伯と千利休
第10章 『茶の本』の影響―利休再生と美術論―
昭和初期における利休像の再生 / 昭和期の陶磁器論と「不完全」の美 / 戦後における茶の道論と「生の術」
第11章 戦後の茶道具論―定式化と懐疑―
戦後の美術史 / 茶道具の公開と研究 / 茶の湯の歴史の体系化 / 「伝統」と「前衛」

結 論 言葉と人とモノ
総括 / 日本美術における茶道具の特異性 / 茶道具論の特徴 / 「美術」の役割 / 課題と展望

付表:総合年表・茶道具文化財指定年表

主要参考文献一覧
あとがき
図版一覧
索引

紹介媒体

  • 「茶華道ニュース」

    2013年8月15日

    (新刊紹介)

  • 『月刊美術』第456号

    2013年9月

    ART BOOKS 新刊案内

  • 『茶の湯文化学』21号

    2014年3月

    田中秀隆

    書評

  • 「茶華道ニュース」

    2014年8月1日

    記事

  • 『読売新聞』

    2014年8月3日

    記事

  • 『陶説』第746号

    2015年5月1日

    小野公久

    新刊紹介

  • 「日本経済新聞」

    2016年5月1日

    記事

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