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朝鮮科学史における近世

洪大容・カント・志筑忠雄の自然哲学的宇宙論

任正爀 著

  • 体裁
    A5判・282頁
  • 刊行年月
    2011年10月
  • ISBN
    978-4-7842-1587-4

著者・編者略歴

イム・ジョンヒョク…1955年生まれ.1978年朝鮮大学校理学部物理学科卒業.1985年東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了.理学博士.現在,朝鮮大学校理工学部教授.

内容

◆遠くギリシャの哲人たちから、デカルト、ニュートン……人間はいつの時代も宇宙について思いをめぐらし、様々に論じてきた。18世紀ドイツにおけるカントも例外ではない。そしてまさに同時期に朝鮮でも、宇宙の構造と生成について論じた学者がいた。それが洪大容である。
◆本書では洪大容の無限宇宙論の、宇宙論発展史における意味や朝鮮科学史および18世紀自然科学における位置を検討することによって、洋の東西の宇宙論の本質を解き明かしていく。
◆付録として洪大容著『毉山問答』の原文と日本語訳を収載。

目次

第一章 科学史における近世――朝鮮と日本の比較検討――  
 近世の概念
 近世科学技術史の特徴
 実学の形成と展開


第二章 学としての朝鮮実学の形成について      
 朝鮮実学研究の意義
 日本における朝鮮実学研究の検討 


第三章 湛軒・洪大容の地転説と『毉山問答』
 南北朝鮮における研究
 日本における研究
 洪大容の略歴
 『湛軒書』の編目と『毉山問答』の基本内容


第四章 「天円地方」説から無限宇宙論へ ――朝鮮における独自的な宇宙論の発展とその終焉――
 朝鮮の伝統的宇宙観
 西洋の宇宙論
 地球説の受容
 金錫文の象数学的宇宙論
 洪大容の無限宇宙論
 洪大容以降の宇宙論


第五章 朝鮮前期における気一元論および象数学的宇宙論
の展開について
 宋代宇宙論の伝来
 『花潭集』における宇宙論
 張顕光の宇宙論


第六章 カント『天界の一般自然史と理論』の検討とその科学史的評価
 時代背景とその自然観
 『天界論』の基本内容
 カントの宇宙論の特徴と基本性格
 カントと洪大容の宇宙論の比較検討


第七章 志筑忠雄『混沌分判図説』の検討と科学史的評価
 『暦象新書』の性格
 『混沌分判図説』の検討
 志筑忠雄の宇宙論の性格と問題点
 洪大容の宇宙論との比較


付録『毉山問答』――原文と訳文――


あとがき

紹介媒体

  • 「朝鮮新報」

    2011年11月14日

    著者

    本の紹介

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