朝鮮近現代史を歩く
定価
2,090 円(税込)
本体 1,900円
在庫状況: 残部僅少

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著者・編者略歴

1963年兵庫県生まれ.佛教大学文学部准教授.主要著書:『日韓交渉』(クレイン),共著に『朝鮮の歴史』(田中俊明編,昭和堂),『北朝鮮を知るための51章』(石坂浩一編,明石書店),『変貌する韓国経済』(朴一編,世界思想社)等.

内容

 たとえば在日朝鮮人や中国東北地域の朝鮮族のような、近代史において朝鮮半島から離散していった人々や、彼らと交わった人々をも含んだ、朝鮮半島とそれにつながる人々。彼らにおける植民地支配と戦争の歴史がどのようなものであり、それが現代の人々によってどのように記憶されているのか、また民衆がどのように日常を生き、何を思ったのか。
 その歴史と縁(ゆかり)のある場所を訪れて、そこの風景やモノを見たり、人に出会ったり、史資料を読み、ゆっくり考えたなかから生まれた成果。

目次

はじめに─朝鮮近現代史を歩く─

Ⅰ 朝鮮近代史を歩く

山陰線鉄道工事と朝鮮人労働者
  兵庫県北部地域の近現代朝鮮
  1910年以前の朝鮮人労働者
  朝鮮人労働者が鉄道工事に従事した経緯
  朝鮮人労働者の名前が刻まれた碑

韓国併合前後の朝鮮人労働者へのまなざし
  朝鮮人労働者と新聞報道
  「奇異」「無気力」「怠惰」
  侮蔑、「忌むの傾き」
  「逃亡」「暴徒」
  「野蛮」と「文明」
  日本版「オリエンタリズム」

守られた曹鉄根の墓
  余部に残された墓
  曹鉄根の墓
  供養し続けた山西家の人々
  朝鮮人労働者を記憶し続けた人々

鄭芝溶と京都
  韓国沃川の鄭芝溶文学館
  鄭芝溶という人
  鄭芝溶の詩碑
  1920年代の京都と鄭芝溶
  同志社教会での受洗
  カトリックへの転身
  「カフェ・フランス」
  植民地支配下での分裂

「星を数える夜」の詩人・尹東柱
  もう一つの詩碑
  尹東柱という人
  詩碑の「序詩」のこと
  再生の詩─「星を数える夜」のこと─
  京都に、さらに二つの詩碑

Ⅱ 朝鮮現代史を歩く

朝鮮八・一五の軌跡
  西大門刑務所跡
  解放前夜
  八・一五直後の『京城日報』と『毎日新報』
  西大門刑務所での政治犯釈放
  反動
  朝鮮建国準備委員会から朝鮮人民共和国へ
  「挫折」した解放
  再び旧西大門刑務所へ

八・一五の諸相
  「解放」から「光復」へ
  八月一五日の光景
  さまざまな思い
  その後の『京城日報』と『毎日新報』
  八・一五と日本
  八・一五の可能性

朝鮮戦争とその記憶
  朝鮮戦争について
  戦争記念館
  「護国」の韓国軍
  国立ソウル顕忠院
  顕忠院とアーリントン
  顕忠院の朝鮮戦争関連施設
  米国―「自由のための莫大な費用」―
  日本―「忘れられた戦争」―
  被害者にとっての戦争と平和

光州から京都へ─2007年5月─
  1980年5月
  京都から光州へ
  「光州」の再解釈
  望月洞の旧墓地
  国立五・一八民主墓地
  光州から京都へ

Ⅲ 朝鮮・韓あれこれ 

ソウル留学の日常
  留学体験
  春のソウル
  韓料理も変化する

交感すること
  予想外の対話
  北の友との再会を信じて
  「サムル」と和太鼓の奏でる響き
  近所の朝鮮初級学校のこと
  さわやかな梅雨の一日

過去と現在の風景
  行き詰まったときは原風景に戻ってみる
  ソウル・済州・メリーランド州日誌

 初出一覧
 あとがき

関連リンク

紹介媒体

  • KOREA TODAY393号

    2009年4月5日

    BOOK

  • 神戸新聞

    2009年7月5日

    門野隆弘

    注目の一冊

  • 『日本歴史』第741号

    2010年2月1日

    新刊寸描

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