内容

裏千家の茶家戸田即日庵に生れる。父は今日庵名誉教授直翁宗寛。尾張徳川家の世臣であったが、瓦解の後東京に移居して茶家となった。今日庵業躰として三代を経ている。教授者(茶名宗安)と併せて、茶の湯の研究に従事して、平成17年3月まで茶の湯文化学会副会長の任にあった。本書は、その業績を集大成している。

目次

口絵(カラー8頁)

序 章
茶人の時代と群像

第Ⅰ部
『松屋会記』が実像化した「珠光開山」
  久重が構想した茶道史 
  付:「鷺絵」と「珠光掛物」
南都の珠光
  利休が夢想した道祖像
利休の茶事と茶会
利休の茶会[補遺]
利休像の変遷
  文学作品にみる利休像
常を慎しむ
裏千家歴代序考
侘茶の深化と変態
  薄器を濃茶入に用いること

第Ⅱ部

北國紀行
  前田家藩中の茶の湯
戸田民部の茶の湯
茶の湯の挨拶
  金澤の思い出
毛利重就と花月楼
茶の湯という不可思議な領域
  井伊直弼(宗観)を繞って
知止斎徳川齊荘
柳宗悦の傳言
  『茶と美』を周って
柳宗悦の『茶と美』
  日本民藝館の50周年に際して
末宗廣先生と裏千家流
近代の茶書入門
末宗廣稿本「茶家人名辞典」の恩恵
  『角川茶道大事典』跋

第Ⅲ部
近代の茶の湯の基盤と展開
  東京の裏千家を支点として
玄々齋千宗室と伊勢商人
玄々齋と松阪の社中
  長井同玄斎、小津、長谷川、三井などの諸家
鼎玄斎 長井五鈴
竹川竹斎
  茅場町に江戸店
竹川竹斎の茶の湯
田中宗卜
  近代茶道史を補完する茶の湯
祖父の思い出
戸田宗見
  胸の覚悟を貫く

終 章
 縫いかけの片袖

初出一覧

紹介媒体

  • 茶華道ニュース543号

    2006年1月15日

  • 茶道文化687号

    2006年5月1日

    田中仙翁

  • 茶の湯(茶の湯同好会)389号

    2006年7月1日

  • 茶の湯文化学(茶の湯文化学会)12号

    2006年7月31日

    谷端昭夫

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