第15回矢数医史学賞受賞
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内容

ジェンナーによって発明された牛痘接種法は、日本においてはお玉ケ池種痘所において実践され、この技術を強力な尖兵として、お玉ケ池種痘所は蘭学という学問を普及させる上での確固たる拠点となった。それは、日本近代医学の誕生、今日の医学・医療の興隆の礎ともいえる。天然痘の根絶を目ざす人びとに焦点をあてながら、この近代医学勃興期とも呼べる時代を活写する。

目次

Ⅰ問題の所在


Ⅱお玉ヶ池種痘所の成立と発展
 一 お玉ヶ池種痘所の成立と発展
 二 お玉ヶ池種痘所開設をめぐって
 三 歩兵屯所医師取締手塚良仙光亨
 四 歩兵屯所医師取締手塚良斎政富
 五 川崎の蘭方医家太田家の事蹟
 六 歩兵屯所の医師たち-「医学所御用留」から-
 七 史料との出会い-歩兵屯所医師取締手塚良仙とその一族-
 八 歩兵屯所附医師の医療活動-わが国軍医制度の濫觴-
 九 お玉ヶ池種痘所留守居役池田玄仲
 十 江戸幕府寄合医師添田玄春の日々の暮し


Ⅲ天然痘の流行と牛痘接種法
 一 天然痘-その流行と終焉-
 二 明治初年の種痘の状況
 三 幕末・明治初期の感染症対策-ジョージ・B・ニュートンの二大事業-
 四 川崎宿種痘館
 五 天然痘撲滅の長い旅路
 六 漱石の痘痕
 七 天然痘は人から人へ伝染する病いである-橋本伯寿の『断毒論』をよむ-


Ⅳ医史学は閑人のものか-あとがきにかえて-


人名索引/事項索引

紹介媒体

  • 日本歴史11月号

    2003年11月

    大川由美

  • 日医ニュース1004号

    2003年7月5日

    日本医師会

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