内容

日本中世の公家と武家、さらに朝廷と幕府との関係を具体的に追跡することを通して中世国家の構造と特質を究明することを研究課題としてきた著者が、『南北朝期公武関係史の研究』に次いで、鎌倉時代に即してまとめたのが本書である。関東申次、蒙古襲来、六波羅探題などをめぐる諸間題を通して朝幕関係を詳細に検討した近年の研究動向に応える力作。

目次

第一章 朝幕関係と関東申次

第一節 西園寺実氏「関東申次」指名以前の朝幕交渉
 第二節 関東申次をめぐる朝幕交渉-西園寺実氏以降-
 第三節 幕府への勅裁伝達と関東申次
 第四節 関東申次施行状の成立
 第五章 関東申次制の意義

第二章 朝幕関係上の諸問題
 第一節 「東使」とその役割
 第二節 蒙古襲来と朝幕交渉
 第三節 皇統の対立と幕府の対応
       -「恒明親王立坊事書案徳治二年」をめぐって-

第三章 朝幕交渉と六波羅探題
 第一節 六波羅探題の「洛中警固」
 第二節 六波羅探題の「西国成敗」
 第三節 六波羅探題と検非違使庁

第四章 朝廷の訴訟制度
 第一節 鎌倉後期における公家訴訟制度の展開
 第二節 北野天満宮所蔵「紅梅殿社記録」に見る訴訟と公武交渉
 第三節 申状の世界-『兼仲卿記』紙背に見る訴訟-
 第四節 藤原兼仲の職務と紙背文書


成稿一覧
略系図(折込)
あとがき
索引(事項/人名/地名・庄園名・寺社名/史料名・書名/研究者名)

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