著者・編者略歴

なみき・せいし…1955年 東京都生。現在、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授。同大学美術工芸資料館長。おもな編著書:『京都 伝統工芸の近代』(共編著、思文閣出版、2012年)、『絵画の変―日本美術の絢爛たる開花』(中央公論新社、2009年)、『美術館の可能性』(共著、学芸出版社、2006年)、『中世日本の物語と絵画』(共著、放送大学教育振興会、2004年)など

あおき・みほこ…1960年 山口県生。京都女子大学家政学部准教授。おもな論文に「1960年代 日本におけるオートクチュールの受容―大丸百貨店と大丸ドレスメーカー女学院にかかわった礒村春の活動を手がかりに―」『デザイン理論』No.67、2016年)、「京都における染織工芸の近代化―古法「墨流し」の改良を中心に―」(『風俗史学』No.53、2013年)、「大正・昭和初期の着物図案―松坂屋の標準図案を巡って―」(『風俗史学』No.34、2007年)など

内容

本書のキーワードは、ネットワークである。
モノとモノ、コトとコトの関係も結局は人間が中心にある。ここで考えたいのは、人を中心とした、近代京都の美術工芸にまつわるヒト・モノ・コトのネットワークである。点でも線でもない、ネットワークという「面」からアプローチするこころみは、他の地域の近代を考えるときにも重要な手がかりになるだろう。
ビックネームだけでは構築されない美術工芸の現場をあぶり出すことにより、よりヴィヴィッドな美術史が見えてくる。


■担当編集者より■
京都人のネットワークは、現代でも濃密に思われますが、この本では、近代における美術工芸世界の、さらに濃いネットワークの軌跡をたどっています。近代の人的ネットワークにおいては、現代のネットにおけるつながり方とちがって、もっと偶然やなりゆき上の出会いがあり、想像もつかない人同士がつながっていたりするという発見があります。さらにそれに付随するモノ、コトへと視点をひろげれば、そこには果てしないコンテンツの宇宙が…。研究上のセレンディピティをお求めの方、必読です。
「京都 伝統工芸の近代」とあわせてお読みください。


【執筆者】
並木 誠士(なみき・せいし) 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授
山田 由希代(やまだ・ゆきよ) 京都府立堂本印象美術館主任学芸員
和田 積希(わだ・つみき) 京都工芸繊維大学美術工芸資料館特任助教
青木 美保子(あおき・みほこ) 京都女子大学家政学部准教授
三宅 拓也(みやけ・たくや) 京都工芸繊維大学デザイン・建築学系助教
岡 達也(おか・たつや) 京都工芸繊維大学美術工芸資料館勤務
清水 愛子(しみず・あいこ) 広島市立大学非常勤講師
上田 文(うえだ・あや) 関西学院大学非常勤講師

目次

1浅井忠
工部美術学校/アール・ヌーヴォー/関西美術院/水彩画/九雲堂

2飯田新七(四代)
髙島屋/百選会

3池邊義象 
浅井忠と池邊義象/京都高等工芸学校教員の文人趣味
4稲畑勝太郎
化学染料/京都染工講習所/京都織物会社

5小川治兵衛(七代)
第四回内国勧業博覧会/無隣庵

6神坂雪佳
琳派/図案集/競美会/図案科

7川島甚兵衞(二代)
川島織物/京都美術協会/武士山狩図/祇園祭

8河原徳立
瓢池園/京都瓢池園

9錦光山宗兵衛(七代)
京薩摩/大日本窯業協会/粟田焼/遊陶園/美工商社

10黒田天外
『日出新聞』/『京都美術協会雑誌』/『ほとゝぎす』/『方寸』

11高坂三之助
京都図案協会・晨紅会/京都図案会/図案団体

12幸野楳嶺
京都府画学校/如雲社/京都青年絵画研究会/円山・四条派

13杉林古香
『小美術』/小美術会/京漆園

14竹内栖鳳
後素協会/竹杖会/日本画/京都市美術工芸学校・京都市立絵画専門学校/文部省美術展覧展(文展)

15武田五一
近代建築/セセッション/古社寺保存/マルホフ式/『表現派図案集』

16龍村平藏(初代)
織物美術/時代祭/古代裂・名物裂の復元/織寶会

17伊達弥助(四世)
西陣織/帝室技芸員/ウィーン万国博覧会/京都博覧会

18田村宗立
洋画/西宗/関西美術会

19土田杏村
無名会/国画創作協会/美術史学/京都の美術館・博物館

20鶴巻鶴一
﨟纈/道楽園と真美会/美術刺繍/墨流し

21富岡鉄斎
南画(文人画)/日本南画協会

22中澤岩太
内国勧業博覧会/1900年パリ万国博覧会/京都高等工芸学校/図案/購入資料・図案模写/農商務省図案及応用作品展覧会(農展)

23中村弥二郎
法隆寺金堂壁画複製製作/京都における写真の普及/ガラススライド(幻燈)/美術出版

24西川一草亭
京都における琳派顕彰/西川一草亭と浅井忠/挿花芸術/『瓶史』

25西村總左衛門(一二代)
千切屋(千總)/ビロード友禅/友禅協会

26西村彦兵衛(八代)
京漆器/五二会

27丹羽圭介
輸出工芸/商品陳列所/京都陶器会社

28廣瀬治助
染殿/写し友禅/ローラー捺染(機械捺染)

29藤江永孝
京都市陶磁器試験所/松風陶器合資会社/音羽焼

30ゴットフリート・ワグネル
化学用陶磁器/釉下彩/七宝

 
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紹介媒体

  • 『月刊京都』792号

    2017年7月

    BOOKS

  • 『京都民報』

    2017年6月25日

    深萱真穂

    書評

  • 『月刊美術』502号

    2017年7月

    新刊紹介

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