フランスを中心にジャポニスムが流行した時代、日本趣味の美術工芸品はアジアとヨーロッパにまたがるオスマン帝国の諸宮殿にももたらされ、宮廷を彩っていた。これらの品々はボスフォラス海峡に臨むイスタンブルの地に、どのような経緯で、いかにもたらされたのか?
日本製あるいは外国製による日本趣味の美術工芸品を陶磁器・金工・刺繍・寄木細工等の専門家が現地調査した成果をもとに、草創期の日本・トルコの交流、そしてヨーロッパ周辺に及んだもうひとつのジャポニスムの諸相を明らかにする。
★★★編集からのひとこと★★★
イスタンブルの宮殿を彩る明治日本の工芸品は、いわゆるジャポニスムという現象がオスマン帝国にも波及していたことを示しています。日本の工芸品が、オスマン宮廷の人々の心をとらえ、いまも宮殿に飾られているという事実は新鮮な驚きでした。
しかし彼らは、日本の品々の向こうにフランスを見ていた面もあったように思います。いまも日本人が「全米第一位」といった宣伝文句に弱いように、彼らも流行の先端をいくフランスで流行っているから日本風のものが欲しくなった、という側面もあるのではないでしょうか。本書はジャポニスムの多様なあり方を考えるきっかけになることと思います。
定価
7,150 円(税込)
本体 6,500円
在庫状況:
在庫あり
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定価
7,150 円(税込)
本体 6,500円
在庫状況:
在庫あり
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体裁A5判上製・300頁
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刊行年月2025年11月
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ISBN978-4-7842-1979-7
内容
目次
刊行に寄せて(ギョクシェン・ジャンユルマズ)
トルコ国立宮殿局と日本美術工芸品(ケマル・カフラマン)
総論 オリエントの東―オスマン帝国と日本趣味/ジャポニスム(ジラルデッリ青木美由紀)
ドルマバフチェ宮殿の「SATSUMA」(渡辺芳郎)
日本磁器の始まりとトルコの近代宮殿所蔵の有田磁器の特色(大橋康二)
〔コラム1〕万博を通した日本工芸品の広がり―有田焼の場合(藤原友子)
〔コラム2〕ドルマバフチェ宮殿が収蔵する寄木のライティング・ビューロー(金子皓彦)
ドルマバフチェ宮殿の日本製金工品(清水克朗)
〔コラム3〕トルコのコーヒー文化(ヤマンラール水野美奈子)
〔コラム4〕イスタンブルのジャポニスムとアール・ヌーヴォ(ジラルデッリ青木美由紀)
オスマン帝国の宮殿を彩った日本の刺繡(松原 史)
〔コラム5〕東から西から―イスタンブル来訪貴顕人名録(ジラルデッリ青木美由紀)
〔コラム6〕山田寅次郎―日本とトルコの友好の礎を築いた男(谷田有史)
近代オスマン宮廷の美意識と日本(ジラルデッリ青木美由紀)
あとがき
【付録】
主要宮殿施設紹介(ケマル・カフラマン)
トルコ国立宮殿局収蔵美術品掲載写真一覧
索引
執筆者紹介