1955年生。東京芸術大学大学院音楽研究科博士課程修了、人文博士(音楽)。
現在、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は近代日本音楽史、日系ブラジル文化史。
著書に、『音楽の記号論』(朝日出版社、1981年)、『レコードの美学』(勁草書房、1990年)、『サンバの国に演歌は流れる─音楽にみる日系ブラジル移民史』(中公新書、1995年)、『シネマ屋、ブラジルを行く─日系移民の郷愁とアイデンティティ』(新潮社、1999年)、『遠きにありてつくるもの─日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』(みすず書房、2008年、読売文学賞受賞)、『日系ブラジル移民文学I・II─日本語の長い旅』(みすず書房、2012・2013年)、『近代日本の音楽百年』第1~4巻(岩波書店、2020年、第71回芸術選奨文部科学大臣賞受賞、日本ミュージック・ペンクラブ賞受賞)ほか。
オンギョクノキンダイヒャクネン
音曲の近代百年
下
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体裁A5判・448頁
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刊行年月2026年10月
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ISBN978-4-7842-2135-6
著者・編者略歴
内容
黒船来航から終戦までの約百年、日本の音の世界は西洋音楽の衝撃にさらされながら、静かに、しかししたたかに生き延びてきた。本書は「音楽」ではなく、あえて忘れられた言葉「音曲」を掲げ、町人の歌、糸竹の芸、在来の響きが近代国家や国民意識とどう交錯したのかを描き直す。洋高邦低の通史を離れ、現地から近代を聴き返す試み。
下巻では、楽譜・レコード・ラジオなど西洋由来のメディアと音曲の出会い、そして邦楽と洋楽の調和/衝突を描く。
目次
三段目 メディア―聴衆を創る
第六章 楽譜―一人の稽古、数人の合奏、無数の記譜法
第一節 独稽古する素人衆
第二節 琴の稽古本
第三節 尺八の稽古本
第四節 四人の楽譜人
第五節 三味線譜のタテとヨコ―研精会譜と文化譜
第六節 通信教育―大日本家庭音楽会と家庭式音譜
第七章 レコード―複製技術時代の芸事
第一節 円筒録音の時代
第二節 円盤録音の時代―〈聞く〉から〈聴く〉へ
第三節 スタジオにて
第四節 電気録音と国際資本の時代
第五節 お稽古レコード
第八章 ラジオ―電波と伝統
第一節 試験放送、仮放送、本放送
第二節 放送人町田嘉章
第三節 放送人田辺尚雄
第四節 鑑賞階級の誕生
第五節 技術革新、聴取革新
第六節 長唄放送の立役者
第七節 ラジオ王宮城道雄
第八節 和洋融和楽の二人―町田嘉章と山田耕筰
第九節 菊とアンテナ―ラジオと皇室行事
第十節 動員される音曲
四段目 和洋の界面―調和と衝突
第九章 アルフレート・ウェスタール―日本音楽の発見者、その対話とすれ違い
第一節 ジャポニストの訪問
第二節 博士、西方より来れり
第十章 和洋調和楽―音曲、洋楽器と出会う
第一場 演奏の場面で
第一節 音楽と音曲、すれ違う楽と曲
第二節 調和の発明―巌本捷治の宣言
第三節 北村季晴、調和楽の指導者
第二場 和洋調和譜をたどって
第一節 『ジャパニーズ・ポピュラー・ミュージック』―海外仕様の和洋調和譜
第二節 北村季晴と沢田柳吉―調和楽ピアニスト両雄
第三場 編曲ではなく作曲を―新日本音楽の触れ回りとして
後 弾
あとがき
索引