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近世後期の皇位継承と天皇・女院

30s

佐藤一希 著

  • 体裁
    A5判・370頁
  • 刊行年月
    2026年02月
  • ISBN
    978-4-7842-2132-5

著者・編者略歴

1994年、神奈川県横浜市生まれ。2024年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。京都大学大学院文学研究科特定研究員(日本学術振興会特別研究員(PD))を経て、現在、名古屋大学大学院人文学研究科准教授。主要論文に「近世天皇・女院の葬送儀礼と門跡寺院」(『歴史学研究』1031、2023年)、「近世天皇家の宮中法会と寺院・門跡」(『日本史研究』756、2025年)などがある。

内容

近世後期の光格天皇の践祚は、近世には唯一といえる大きな血統転換の伴う皇位継承であった。十八世紀中葉から幕末期にかけての皇位継承は、朝廷内のいかなる過程を経て展開し、江戸幕府との関係の中でどのように実現に至ったのか。
本書は、光格・仁孝・孝明三代にわたる「閑院宮系」天皇の皇統意識と実際の皇位継承をめぐる動向、さらにはその政治的作用を追究するにあたり、女院や後宮勢力などの天皇家の女性や皇子女・世襲親王家の動向を視野に入れて、近世後期の天皇像を動態的に描き出すものである。

目次

序章 近世天皇・朝廷研究の成果と本書の課題
一 近世天皇・朝廷をめぐる研究史の軌跡
二 近世後期~幕末期の天皇・朝廷をめぐる論点
三 本書の分析視覚と課題―近世皇位継承研究をめぐって―

第一章 十八世紀中葉の皇位継承と内親王・親王家
はじめに
一 桜町上皇の皇位継承構想
二 宝暦・明和期の親王家の存立
三 安永期の皇位継承過程と親王家
おわりに

第二章 近世後期における「閑院宮系」天皇の皇統意識と泉涌寺
―近世天皇家の葬制の変容をめぐって―
はじめに
一 近世前中期における女院の葬制
二 近世後期における天皇家の葬制の変容と皇統意識
おわりに

第三章 寛政~文化期の皇位継承過程と光格天皇
―中宮欣子と皇子をめぐる動向を中心に―
はじめに
一 寛政~文化前期の皇嗣治定過程と中宮欣子
二 光格天皇の譲位表明と中宮・後宮をめぐる諸問題
三 光格天皇の譲位と皇位継承構想の展開
おわりに

第四章 文政~弘化期の皇位継承問題と仁孝天皇・新清和院
はじめに
一 文政・天保期の皇位継承をめぐる動向と新清和院
二 近世天皇・女院の母子関係と「実母」・外戚
三 天保・弘化期の新清和院の地位
おわりに

第五章 開国前夜~幕末期の朝廷と皇位継承
―皇子女・親王家・奥向をめぐる動向を中心に―
はじめに
一 十九世紀前半における親王家の歴史的位置
二 弘化~安政期の皇位継承問題と奥向
三 幕末期の皇位継承と孝明天皇・親王家
おわりに

補論 上御霊神社相殿に祀られた怨霊
一 上御霊神社相殿に祀られた三社明神・和光明神
二 文化八年の女房呪詛一件
三 朝廷社会への影響と勧修寺家の祭祀
四 明治初年における三社明神・和光明神の上御霊神社合祀
おわりに

終章 近世後期の皇位継承と天皇・女院
一 近世後期における皇位継承の展開と特質
二 近世後期における天皇の歴史的位置
三 課題と展望

初出一覧 あとがき 索引

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