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歴史からみた経済と社会

日本経済史研究所開所90周年記念論文集

日本経済史研究所 編

  • 体裁
    A5判・1000頁
  • 刊行年月
    2023年11月
  • ISBN
    978-4-7842-2067-0

内容

大阪経済大学日本経済史研究所の開所90周年を記念して刊行する論文集。「回顧編」6本、「論文編」29本の二部編成。本庄栄治郎・黒正巌以来の国際的な視野を引き継ぎ、広範囲な時代・地域を対象とする論考を集め、現在の経済史研究の最前線を示す。

★★★編集からのひとこと★★★
1000頁、厚さ5センチという圧巻の「鈍器本」です。90年という長きにわたって経済史研究をリードしてきた日本経済史研究所に関わってきた研究者30名による記念論集。「論文編」は個性豊かな論文が29本、「回顧編」6本は時代の貴重な証言となっています。
現在の経済史研究の最前線を示し、次の100年という大きな節目に向かってさらなる隆盛を予感させる一冊です。

目次

『歴史からみる経済と社会』刊行にあたって(閻立・高木久史)

〔回顧編〕
二十年におよぶ評伝の仕事を通じて、いま想うこと(家近良樹)
日本経済史研究所の重要な国際的役割(本多三郎)
近世社会の構造と特質を探って―年貢免状(免定)から「百姓成立(なりたち)」の構造へ(渡邊忠司)
「マル経大学」出身者から見た日本経済史研究所―昭和・平成・令和という時代の変遷の中で(大島真理夫)
大阪経済大学日本経済史研究所刊行『経済史研究』から見た経済史研究の動向について(天野雅敏)
日本経済史研究所と宮本又次、そして私(宮本又郎)

〔論文編〕
『隋書』倭国伝と倭王の政治、経済政策(松村隆)
近世日本紙幣の成立経緯に関する古貨幣学的試論(高木久史)
近世の長崎をささえた存在―異国人・遊女・長崎奉行(熟美保子)
近世中後期地域流通構造と在方米商人―北河内小田原大久保氏領の蔵米払と払米仕法を事例に(渡邊忠司)
個人社会史の研究―新島襄の場合(石川健次郎)
文部官僚清水彦五郎の日常(内山一幸)
田口卯吉の歴史論について―文明史の放棄か進化か(大島真理夫)
近代紀伊湯浅における醤油醸造業の展開について(天野雅敏)
西表島の開発構想―浦添為宗とその影響(宮地英敏)
学籍簿から見る戦前期農村における児童の体格―長野県下伊那郡座光寺村を事例として(守谷慶祐・友部謙一)
創業期の琺瑯鉄器株式会社―技術者にも注目して(木山実)
阪神電気鉄道の昭和史(廣田誠)
一九三〇年代、日本茶のモロッコ向け輸出について(吉田建一郎)
憲法改正論議における「経済」問題―内閣憲法調査会の活動を中心に(梶居佳広)
戦後復興期炭鉱経営史研究にむけて―北海道地方を中心とした予備的考察(北澤満)
航空機転換企業の戦後史―一九五〇年代の富士精密工業(沢井実)
自営業による就業機会の確保と社会保障制度の代替―一九五〇年代菓子小売業の実態と社会的機能(浅野敬一)
裁判で歴史事実を認定できるのか―詐欺的誘惑や過酷な労働実態は事実ですか(三輪宗弘)
歴史から学ぶデジタル貨幣(髙橋亘)
「庄内農法」研究事始―水稲反収の推移をめぐって(德永光俊)
春秋時代の晋・斉関係について―『左伝』における襄公期を対象として(吉田章人)
中国の経済発展と鉄道外交(藤井大輔)
清末新政期における載振と徐世昌の東三省考察を再検討する(閻立)
中国貨幣システムの変容―清末上海金融市場の兌換銀行券流通を中心に(蕭文嫻)
アイルランド大飢饉と一八四七年「金融危機・恐慌」(本多三郎)
「潜在的投資家」としての労働者階級―第一次世界大戦下イギリスにおける総力戦体制と地方の自律性(坂本優一郎)
国民主権と国王―憲法における「欠落」とアイルランド自由国の「出生の秘密」(山本正)
ナチ経済史研究の現状―欧米における研究から(鴋澤歩)
J・カーター政権と日本による対米自動車輸出自主規制(河﨑信樹)

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