2024年2月 電子版発売予定(Kindleストア、楽天Kobo、Apple Books、Kinoppy、honto)

内容

特集は、万国博覧会がいかにして今日の姿になったのかを探る、戦後万博シリーズの第二弾、「万博と冷戦」。
「万博とは世界を映す鏡である」という万博学の立場から、ブリュッセル(一九五八年)、モントリオール(一九六七年)、大阪(一九七〇年)など冷戦期に開催された万博と東西両陣営とのかかわりを論じる多様な角度の論考で、万博に映った冷戦の時代を活写する。そのほか、最新の万博研究とコラム、エッセイに加え、ドバイ万博の日本館、および二〇二五年大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン、ウーマンズパビリオンを設計する建築家・永山祐子氏のインタビューを収録する。

★★★編集からのひとこと★★★
西側陣営のイベントという印象が強い万博ですが、旧ソ連や東欧諸国は冷戦期においても参加していました。70年大阪万博における米ソの宇宙開発PR合戦などはよく知られていると思います。
ただ、この時期の万博をもう少し掘り下げてみると、西側・東側の対立という紋切り型の区分けとは違う、各国の様々な思惑や関係性が浮かび上がります。2024年、世界の分断は深まっているように見えます。大阪・関西万博を前に、冷戦期の万博を振り返ってみる意義は大きいのではないでしょうか。

目次

【特集】万博と冷戦 
特集趣旨
一九六七年モントリオール万博に見る科学技術国家の自画像―大阪万博との比較を通じて (有賀暢迪)
アメリカ対外情報政策の延長線上の大阪万博 (森口〔土屋〕由香)
対峙と売込み―冷戦期万博における東側陣営の二重戦略(市川文彦)
〔コラム〕モーリス・タックマンのNew Arts (辻泰岳)
冷戦と脱植民地化の接点としての万国博覧会研究(池田亮)

【インタビュー】
パビリオン建築に関わって―ドバイ万博から大阪・関西万博へ(永山祐子、聞き手:佐野真由子、岸田匡平)

【万博学の最前線】 
天皇の儀礼空間としての博覧会―内国勧業博覧会と二つの博覧会構想に注目して(長谷川香)
図書館と万博の関係を再考する―近年の万博関連公式資料収集の進展から(陶成・駱雲卿)

【ロングエッセイ】
博覧会資料と関わって二五年(石川敦子)

【これも万博資料】
〔コラム〕展覧会「万博と仏教」を監修して(君島彩子)
〔コラム〕カレンダーにみる一九七〇年大阪万博(中牧弘允)

英文目次・要旨

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