内容

京都大学名誉教授・根立研介先生の退職記念論文集。
各分野・各時代の専門家が、日本・東洋美術史における作品制作者である仏師・絵師に焦点をあて執筆した21篇の論考を「仏教美術篇」「世俗絵画篇」の2部構成で提示する。

目次

序にかえて(稲本泰生)

第一部 仏教美術篇:「祈り」から「かたち」へ

奈良時代後期木彫像の制作者に関する考察─滋賀百済寺木造十一面観音像を中心に(田中健一)
観心寺仏眼仏母如来像・弥勒如来像の造像背景─密教僧・願主・制作工房という視点から(高橋早紀子) 
京都・大報恩寺(千本釈迦堂)十大弟子像小考(皿井舞) 
快慶の名乗りの意味と意義(松岡久美子)
宮津市大谷寺阿弥陀三尊像と仏師(桑原正明)
高橋逸斎(一斎)再論─新出作品の紹介と幕末復古派に関する一視点(大原嘉豊)
キヨッソーネ美術館の銅造菩薩立像(Catalog No.B-1263)─制作年代と制作者の様式選択をめぐって(アヴァンツィ・マリア・カルロッタ)
銭弘俶八万四千塔の製作に関する一考察(折山桂子)
百済石工と益山弥勒寺址石燈(柳承珍)
보살형(菩薩形) 설법인 (說法印) 노사나불 (盧舍那佛) 의출현(出現) 과 삼신불 (三身佛) 의 정립 (定立)일본(日本) 쥬린지 (十輪寺) 소장 <오불존도(五佛尊圖)> 를중심(中心)으로 (姜素妍)

第二部 世俗絵画篇:制作と享受の場

院政期絵巻における「嗚呼」なるものと後白河院(苫名悠)
三宝院障壁画再考(長谷川貴信)
岩佐又兵衛工房と京都(筒井忠仁)
狩野家による極書の発給(福士雄也)
鶴澤派における絵画学習と地方の門人育成について(有賀茜)
呉春と景文の追薦展観(仁方越洪輝)
住吉弘貫の生没年・経歴について(宮崎もも)
幕末・明治の城崎の文人画家・斎藤畸庵について─地方画家の遊歴と中国絵画学習の一事例(山口奈々絵)
絵画審査の初期相─明治十年代の博覧会と共進会(中野慎之)
福田平八郎と「宋元風」─大正後期の京都画壇における花鳥画の一動向(星野靖隆)
藤井達吉と奈良─仏教美術への関心(土生和彦)

後 記(筒井忠仁)
根立研介先生年譜/根立研介先生著作目録

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