アレクサンダー・フォン・シーボルトトメイジニホンノコウホウガイコウ

アレクサンダー・フォン・シーボルトと
明治日本の広報外交

堅田智子 著

  • 体裁
    A5判・512頁
  • 刊行年月
    2023年03月
  • ISBN
    978-4-7842-2045-8

著者・編者略歴

1987年生まれ、東京都出身。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了、博士(史学)。関西学院大学教育学部助教。
主要業績「ウィーン万国博覧会後のジャポニスムをめぐって―『日本古美術展』とシーボルト兄弟寄贈日本コレクション」(『1873年ウィーン万国博覧会―日墺からみた明治日本の姿』思文閣出版、2022年)、「青木周蔵とアレクサンダー・フォン・シーボルト―『国家を診る医者』を目指した二人の外交官」(『プロイセン気質の日本人―明治の外交官・青木周蔵の横顔』久米美術館、2022年)。

内容

青木周蔵、伊藤博文、井上馨、井上勝之助……彼らのかたわらには、「もう一人のシーボルト」がいた。
約40年間、日本とヨーロッパを拠点に活動した明治政府のドイツ人外交官アレクサンダー・フォン・シーボルト。広報外交戦略によってウィーン万博を成功に導き、条約改正や黄禍論との戦いに挑み、「日本帝国近代史の化身」と評された外交官人生とその業績、そして明治日本にもたらされた広報外交の裏面史を日独双方に眠る外交文書、日記、書簡、ブランデンシュタイン=ツェッペリン家所蔵資料から解き明かす。

★★★編集からのひとこと★★★
医師・博物学者として有名なシーボルトの息子・アレクサンダーの人生と業績を辿った本です。ドイツ人でありながら日本の外交官として半生を歩み、その国際社会における地位向上のために粉骨したアレクサンダー。彼の巧みな外交術をとおして、明治日本の知られざる外交史を探ります。

目次

序章
 一 「真の日本政府官吏であった、唯一のドイツ人」
 二 シーボルト研究への新たな視座

第一章 美しき平和の国日本
 一 シーボルト父子の見た日本
 二 「英国の旗の下に」
 三 英国公使館から明治政府へ

第二章 〈視覚〉と〈文字〉による広報外交の誕生
 一 シーボルト兄弟とウィーン万博
 二 〈視覚〉による広報
 三 広報外交戦略の立案

第三章 広報題材としての歴史と法
 一 広報題材としての歴史
 二 広報題材としての法
 三 シーボルトと条約改正
 四 伊藤博文憲法修業への関与

第四章 「各国政況報告」と「外字新聞論調報告」
 一 ヨーロッパでの新聞論調調査
 二「各国政況報告」と「外字新聞論調報告」

第五章 「外国新聞操縦」
 一 日本とドイツにおける「新聞操縦」
 二 日清戦争と「外国新聞操縦」
 三 義和団事変と「外国新聞操縦」
 四 日露戦争と「外国新聞操縦」
 五 黄禍論との戦い

終章
 一 「日本のシーボルト」
 二 シーボルトと明治日本の広報外交     

付録
 アレクサンダー・フォン・シーボルト略歴
 参考史料
 参考図版
 参考文献

紹介媒体

  • 『洋学史通信』

    2023年4月30日

    自著紹介

  • 『上智史學』第68号

    2023年11月

    寺本敬子

    書評

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