内容

近代日本の歴史研究において、中心的存在であったアカデミズム史学は、いかなる時代状況のなかで生まれたのか。他の学問との競合、研究と教育のジレンマ、国家や社会との緊張関係―「国体」を正当化することと、「科学」であることという二つの任務を負わされたアカデミズム史学は、南北朝正閏問題という危機を経て、ある結論にいたる。
坪井九馬三、黒板勝美らアカデミズム史学に連なる歴史家たちの実践から、無思想ともみなされてきた存在の思想性に迫る。

★★★担当編集からのひとこと★★★
アカデミズム史学とは、明治後半から大正初年にかけて、近代日本の歴史学が近世的な学問から近代科学としての学問へと、多岐にわたる拡大発展を遂げた、それらの動向の総称を指します。現在の歴史学の母胎であるアカデミズム史学が形成される過程を、これまできちんと実証されてこなかった制度的な枠組みに注目しながら整理し、論じる意欲作です。

目次

序 章
第一章 アカデミズム史学の成立―ナショナリズムと純正史学―
第二章 「純正史学」の組織化―学会の設立と地方史学― 
第三章 南北朝正閏問題をめぐる論理―歴史観と道徳論の相克―
第四章 アカデミズム史学の危機と復権―南朝正統論への転換がもたらした歴史学の自立―
第五章 黒板勝美の通史叙述
第六章 アカデミズム史学と歴史意識の近代
終 章 

紹介媒体

  • 『図書新聞』「特集 歴史の深層を見る史眼の射程」

    2022年5月21日

    山口道弘

  • このエントリーをはてなブックマークに追加