著者・編者略歴

たけうち・ゆきえ・・・同志社大学社会学部教授

なんば・こうじ・・・関西学院大学社会学部教授

内容

1890(明治23)年、大阪で一つの広告代理店が創業した――その名は「萬年社」。

戦前・戦後を通して日本を代表する広告代理店の一つとして、1999(平成11)年に倒産するまでのおよそ100年の間に、同社が広告研究のために収集した広告資料や文献などの「萬年社コレクション」は、日本の黎明期広告業界の実態がうかがえる貴重な歴史的資料群である。

本論集では、おもに萬年社の創業時から戦前までの紙媒体資料を用いて、同時代の広告業界をさまざまな角度から活写する。

【担当編集者より】
「萬年社」は京都にも支店があり、その建物は、レトロな建築物として2008年頃まで残っていたようです。私はあいにく、その建物を見過ごしてしておりました。その建物同様に、広告史から失われつつあったところを、見事にすくいあげ、研究として結実したのが本論集です。
本書カバーのぐっとくるコピー(これは元コピーライターに作ってもらいました。さすが!)とともに、大阪発の意外な広告史をご堪能ください。

目次

■プロローグ
創業者高木貞衛の広告理念と行動(山本武利)
高木貞衛の白いハンケチ (津金澤聡廣)


■Ⅰ 『広告の夜明け』と萬年社

第一章 「屋外広告界に雄飛をなす」――高木貞衛の夢と戦前大阪の屋外広告への熱意 (竹内幸絵)

第二章 萬年社と日本GM (難波功士)

〈コラム〉
高木貞衛のキリスト教 (菅谷富夫)
萬年社コレクションのチラシ広告 (大石真澄)

第三章 萬年社における連合広告――歴史・意匠・企画を中心に (熊倉一紗)

〈コラム〉
広告漫画と萬年社 (松井広志)

第四章 萬年社コレクションにみるアジアの新聞と広告 (土屋礼子)


■Ⅱ 「萬年社コレクション」から探る広告史

第五章 大阪の広告業界に生まれた「水曜会」百年の由緒 (木原勝也)

第六章 萬年社と博覧会─―「京都こども博覧会」における新聞と広告 (村瀬敬子)

〈コラム〉
京都岡崎の広告意匠展覧会(樋口摩彌)

第七章 広告掲載料からみる雑誌メディア――萬年社『広告年鑑』が示した戦前雑誌の広告効果(石田あゆう)

〈コラム〉
大学の新聞広告――同志社大学所蔵史料より(樋口摩彌)

第八章 アジア・太平洋戦争期における国家宣伝と広告業界――日本宣伝文化協会と『エホン ニッポン』 (中嶋晋平)

〈コラム〉
中国大陸における萬年社と海外進出――中島真雄の新聞活動と広告 (華京碩)


萬年社関連年表
おわりに
執筆者紹介
索引

関連リンク

萬年社コレクション

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大阪メディア文化史研究会

本論集の執筆者が所属する研究会です

紹介媒体

  • 「京都民報」第2828号

    2018年3月25日

    白沢正

    書評

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