日本図書館協会選定図書

著者・編者略歴

みやざわ・まさのり・・・1933年長野県生まれ、1959年同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻修了、2004年同志社女子大学名誉教授。日本イスラエル文化研究会理事、理事長、文化史学会評議員、日本ユダヤ学会理事を歴任。2005年新島研究功績賞受賞。

内容

中国の辛亥革命や国内の憲政擁護運動、ロシア革命に米騒動といった、大正期の社会の危機感を背景に、「反ユダヤ論」が興り、それに反駁する言論との間で「ユダヤ論議」が交わされる。
ナチス・ドイツの隆盛と崩壊、中東戦争を経た現在も、日本の「ユダヤ論議」は脈々と続いている。
本書は、大正期から1990年代までの、日本における「ユダヤ論議」をたどる。
特に、昭和戦前期を中心に、日本と上海におけるユダヤ避難民対策についてもその実態を論証。
付録として70頁におよぶ「ユダヤ・イスラエル関係文献目録2005~2015」を収録。

目次

序 章

第一章 「ユダヤ問題」観の展望

第二章 危機意識としての排耶蘇と反猶太

第三章 日本・ユダヤ同祖論

第四章 反ユダヤ主義への傾斜―1930年代の一思考形態―

第五章 昭和前期におけるユダヤ対策

第六章 両大戦間期における知識人の変相―ユダヤ人問題観を軸として―

第七章 昭和前期における新聞のユダヤ観

第八章 日本への避難ユダヤ人と新聞

第九章 神戸におけるユダヤ避難民―1941年4月~9月を中心に―

第十章 上海におけるユダヤ避難民

第十一章 ユダヤ・イスラエル論議―1980年~90年代―


〈コラム〉
1.戦時下の日本とユダヤ人
2.「シンドラーのリスト」めぐって

あとがき

付 ユダヤ・イスラエル関係文献目録(2005―2015)

人名索引

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