牛と農村の近代史
本体価格
4,800 円(税別)
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著者・編者略歴

いたがき・たかし・・・1978年島根県生。愛媛大学法文学部人文学科卒業、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科修了。修士(歴史民俗資料学)神戸大学大学院文化学研究科修了。博士(学術)。阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター震災資料専門員をへて、神戸大学大学院人文学研究科特命助教。現在、神戸大学大学院人文学研究科特命講師

主な著書/論文
「一九三〇年代における日本農政の転換と家畜預託慣行」(『ヒストリア』235号、2012年)
『阪神・淡路大震災像の形成と受容―震災資料の可能性―』(共編著、岩田書院、2011年)
「災害資料の課題と展望-阪神・淡路大震災後の研究蓄積を共有するために-」(『日本史研究』597号、2012年

内容

明治以降の近代化のなかで発展から取り残された中国山地。そこでは前近代的ベールに包まれた家畜預託慣行が急激に拡大していた。
本書は、牛を介して取り結ばれる人々の社会関係を明らかにし、それが近代農村で果たした歴史的意義を解明する。そして歴史の片隅へ押し流されながらも、地域社会の調和と共存のために努めた名もなき農民群像を描く。いうなれば、進歩のかげで退歩しつつあるものを見定めた宮本民俗学に共鳴する社会経済史である。

目次

はしがき

序  章 課題と視角
第一節 本書の課題
第二節 本書の視角

第一章 家畜小作概念の再検討
第一節 家畜小作概念の問題点
第二節 家畜所有に関する統計資料の問題点

第二章 牛生産地域における家畜所有の歴史的展開
第一節 牛経営帳簿の記載様式と収益方法
第二節 牛所有の変遷

第三章 中国山地における蔓牛造成の社会経済的要因
第一節 役牛の特質と価格
第二節 役牛の育成システムの確立

第四章 中国山地における役牛の売買流通過程と牛馬商
第一節 牛馬商の専門分化と常連相手の形成
第二節 牛馬商の階層構造
第三節 牛馬商取締の変遷

第五章 鞍下牛慣行による役牛の循環と地域社会
第一節 出雲地方における鞍下牛慣行の概要
第二節 鞍下牛循環サイクルの分析
第三節 鞍下牛と預け牛の広域的循環による地域内分業

第六章 中国山地の預け牛関係にみる信頼・保険・金融
第一節 預け牛関係に内在する保険機能
第二節 利益分配率推移の外在的要因と内在的要因
第三節 預け牛関係に内在する金融機能

終 章 家畜預託慣行の盛衰と近代日本農村
第一節 たたら製鉄の衰退と牛馬頭数推移
第二節 家畜預託慣行の拡大と牛馬商の台頭
第三節 一九三〇年代の構造変化と家畜預託慣行の衰退

附 論 板垣家文書の史料群構造
第一節 調査の経緯と収納状況の特質
第二節 史料群の特質と板垣家の来歴
第三節 史料群の構造

聞き書きノート
板垣武吉氏   
宮本芳雄氏 
高尾忠次郎氏
石飛弥一氏
陶山葉子氏
福山 清氏


初出一覧
あとがき
索引

紹介媒体

  • 「山陰中央新報」

    2014年2月4日

    文化面記事

  • 「日本農業新聞」

    2014年2月2日

    記事

  • 「中国新聞」

    2014年2月12日

    記事

  • 『神奈川大学評論』77

    2014年3月

    小馬徹

    書評

  • 『山陰民俗研究』19

    2014年3月15日

    新刊紹介

  • 『芸備地方史研究』290号

    2014年4月30日

    平下義記

    書評

  • 『日本史研究』627号

    2014年11月

    大島真理夫

    書評

  • 『日本歴史』799号

    2014年12月1日

    伴野泰弘

    書評と紹介

  • 『日本民俗学』280号

    2014年11月

    菅豊

    書評

  • 『地方史研究』375号

    2015年6月

    坂口正彦

    新刊案内

  • 『現代思想』4月号 第46巻第6号 

    2018年4月1日

    藤原辰史

    「この世界の土台を捉える」

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