老僧が語る京の仏教うらおもて
定価
990 円(税込)
本体 900円
在庫状況: 在庫あり

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老僧が語る京の仏教うらおもて

五十嵐隆明 著

  • 体裁
    四六判並製・232頁
  • 刊行年月
    2013年08月
  • ISBN
    978-4-7842-1683-3

著者・編者略歴

いがらし・りゅうみょう…1933年京都府に生まれる。龍谷大学文学部卒業。総本山禅林寺第八十八世法主。浄土宗西山禅林寺前管長。学校法人永観堂学園永観堂幼稚園元理事長。社会福祉法人同和園理事長。養福寺名誉住職。著書に『自分らしく生きる―他力への道―』(法蔵館.2007) ほか。

内容

世界に誇る宗教都市、京都。有力寺院の本山が軒立つこの地は、古来より仏教との関係が取りざたされてきた。みかえり阿弥陀で有名な永観堂禅林寺の住職をかつて勤めた著者による、あまり語られない京都を中心とした近代仏教界の内幕。幕末維新の動乱と屯所になった寺院との結びつき、第2次世界大戦時の仏教界の戦争協力と、戦後の反省。2回にわたる「古都税」導入の動きと、その反対運動。医療・福祉への取り組みなど。著者自身の体験をふまえながら具体的な僧侶名やエピソードを交えて語る仏教界のあれこれ。

目次

序にかえて―京の仏教をふりかえる―

第一章 幕末・維新の荒波にもまれて
 維新黎明期の寺々/新選組の台頭で翻弄された寺院/西海に消えし、幕末の隠士 ―噫、清水寺月照上人―/文明開化と西本願寺/幕末を生きた市井の小寺

第二章 祇園のにぎわい
 社寺領上地令/祇園精舎と三味の音/縄手通の今昔/新京極のにぎわいに貢献の寺/釈尊ご遺形奉迎騒動記

第三章 戦争と京の仏教界
 市民権を得た僧侶/平和の鐘が武器―金属回収・供出運動へ―/戦争協力の仏教界―批判抵抗した人師―/戦時強制疎開と寺院

第四章 戦争の終焉から新たな幕開け
 教団が二百六十派まで分裂/妙法院・本圀寺などの事件/境内地払い下げ問題

第五章 仏教界再生に向けた教化活動
 独自の教化活動を活発化/「仏教保全経済会」/市民参加の「京都仏教徒会議」発足/「京都古文化保存協会」の組織化/「仏教クラブ」の設立/大阪万博に向かって「五社寺協会」発足

第六章 京都市政と仏教界
「文観税」と「文保税」の背景/京都市と寺院対立の序章/「入市税」から「拝観窓口」で徴税/寺院の反対運動の経過/「古都税」問題の発端/「古都税」問題の経過/「古都税」を総括・出版/市街地ビルの高層化に反対/「京都仏教会」の歴史/「京都府仏教連合会」の誕生

第七章 地道な教育・福祉・医療の活動
仏教系学校の経営発展/仏教教団の社会福祉/京の医療の濫觴/僧医の人びと

第八章 京の寺々
 通称寺と綽名・異名の寺/ご利益を求めて京の寺めぐり

コラム 逸聞
千日回峯行―「京都大廻り」と町衆―/昭和の快(怪)僧・永井行典師/篤信の人・山口玄洞居士

コラム 「昭和」邂逅
二・二六事件、岡田首相をめぐる人々/八十年の時空を超えての仏縁/昭和天皇の和歌―つねに“平和の祈り”―/激動の時代、一身に象徴された天皇/仏教者の「自死」の歴史/南禅寺管長の「自死」―真相は五里霧中― 


あとがき

紹介媒体

  • 「教界通信」

    2013年8月15日

    (新刊紹介)

  • 「京都民報」

    2013年9月22日

    宮城泰年(聖護院門跡門主)

    紹介

  • 「仏教タイムス」

    記事

  • 「京都新聞」

    2013年10月24日

    地域プラス

  • 「MK新聞」

    2013年12月1日

    BOOKS

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