チュウキンセイノウギョウシノサイカイシャク

中近世農業史の再解釈

『清良記』の研究

伏見元嘉 著

  • 体裁
    A5判・424頁
  • 刊行年月
    2011年05月
  • ISBN
    978-4-7842-1562-1

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著者・編者略歴

ふしみ・もとよし…1941年大阪府生.陸舶資材商,自動車販売店勤務を経て損害保険技術アジャスターを勤める.郷土史研究家.
〔論文〕「『清良記』の傍証研究-将棋記述よりのアプローチ」(『伊予史談』321号,2001年).「『清良記』の改編者と成立過程」(『伊予史談』326号,2002年).「軍記物『清良記』の解釈」(『伊予史談』336号,2005年)

内容

戦国末期伊予の軍記『清良記』全30巻を分析。その著者および成立年代を確定し、日本最古の農書とされる第7巻「親民鑑月集」の位置づけを明かす。近世農業の始まりとしての農書という定説をくつがえし、中世農業の最終段階をはじめて詳説したと位置づけ直す。

目次

第Ⅰ部 「軍記」の解釈

第一章 『清良記』をめぐって
研究の経過/『清良記』の概要

第二章 軍記『清良記』の検証
土居清良の時代背景/全編からの疑問/清良の遠征にかかわる疑問/「第七巻」からの疑問

第三章 軍記の検証からみえるもの
原本『清良記』の成立時期/改編された『清良記』/将棋の記述について/架空の人物・松浦宗案

第四章 「第七巻」の検証
松浦宗案の語るもの/改編の背景/「隙」「暇」の検証/改編者について



第Ⅱ部 農書の解釈

第一章 「第七巻」いわゆる「農書」としての疑義
徳永光俊氏の「見通し」から/近世前期南伊予の耕地面積と人口と牛/「第七巻」労役記述の検討/「第七巻」肥料記述の検討

第二章 鬮持制度と「本百姓」の成立
「一両具足」と「一廉」/吉田藩の鬮持制度/鬮持制度と労役

第三章 近世前期の営農と『清良記』の位置づけ
「本百姓一廉」の経営と収穫量/村の階層別経営と銀納制/『清良記』改編者の農業観/『清良記』の位置づけ



第Ⅲ部 「農業史」再見

第一章 「水田稲作」の再見 
稲作の揺籃/開墾と土木具/水田稲作と耕起/水田と肥料/田の品位・田制

第二章 中世・近世前期「農術」の展開
「農術」の萌芽/「農術」の祖形/「農術」の成長/豊臣政権と「農術」/徳川政権と「農術」

終 章  農書としての『清良記』研究の意義 
村の安定をめざして/飯沼二郎氏の『松浦本』序文から



あとがき
索引

紹介媒体

  • 『日本歴史』第768号

    2012年5月1日

    永井義瑩(真言宗豊山派日輪寺住職)

    書評と紹介

  • 『地方史研究』第62巻第3号

    2012年6月

    榎本博

    新刊案内

  • 『社会経済史学』Vol.81, No.1

    2015年5月

    德永光俊

    書評

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