カバーなど書籍の外装に多少の汚れ・傷みがございますのでご了承ください。

内容

 近世社会において、民間の浄土宗寺院はどのような変化をとげてきたのか。日本各地の民間寺院に伝わる開創・宗祖伝承や地名、史料等の考察を通じて、浄土宗教義の変容や民俗信仰との関わりあいを明らかにし、歴史民俗と浄土教学史という双方の立場から、民間寺院における近世化の実態に迫る。
 さらに、従来看過されがちであった法然にまつわる民間伝承の採集成果や、法然ゆかりの総本山知恩院に所蔵される古記録翻刻の成果を収載。半世紀にわたり、知恩院の史料編纂にも携わってきた著者による、記念碑的論集。

目次

<序> 浄土宗の近世化について


宗祖伝承と一般寺院

<1> 法然上人黒谷遁世の社会的背景
<2> 讃岐国に伝承する法然上人――法然寺蔵伝親刻法然上人像と滝宮念仏踊をめぐって――
<3> 遠州桜ケ池譚私考
<4> 法然上人二十五霊場月輪寺札所考
<5> 史料『美作誕生寺所蔵近世文書』


民間寺院の生態

<1> 寺名よりみた浄土宗一般寺院の前生
<2> 一村落寺院の開創伝承について――山城国芹川村海徳寺史覚書――
<3> 近世における一村落寺院の中興とその壇越――山城国芹川村海徳寺史覚書――
<4> 近世における民間寺院の生態――山城国西院村称念寺文書より――


鳥羽法伝寺宗義出入一件

<1> 宝暦年中鳥羽法伝寺宗義出入一件について
<2> 『開山不退上人本山江被召出候問答之一件記』の史料的性格について
<3> 史料『開山不退上人本山江被召出候問之一件記』


知恩院の古記録より

<1> 知恩院阿弥陀堂考
<2> 史料『華頂阿弥陀堂丈六尊像縁由』
<3> 知恩院蔵『宗名一件抜書』について

<終> 日本仏教教団成立の社会的基盤


初出一覧
あとがき

紹介媒体

  • 「中外日報」

    2011年9月15日

    中外図書室(新刊)

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加