著者・編者略歴

(にしざき とおる)1942年奈良県生まれ.武庫川女子大学教授を経て、現在京都女子大学文学部教授.おもな編著に『枳園本節用集索引』(和泉書院,2002年)『訓点資料の基礎的研究』(思文閣出版,1999年)『東大寺図書館蔵本「法華文句」古点の国語学的研究 研究篇』(おうふう,1998年)『同 本文篇(桜楓社,1992年)『日本古辞書を学ぶ人のために』(世界思想社,1995年)『高野山西南院蔵訓点資料の研究』(臨川書店,1995年)など.

内容

『倶舎論音義』は、唐の玄奘三蔵の『阿毘達摩倶舎論』三十巻と唐普光撰の『倶舎光記』三十巻を巻第一より交互に配し、各々の書から難解な単字や熟字である漢字を抽出して、その音・訓について註釈を加えた巻音義。掲出字に付された和訓は語彙史料として有用であり、又、その和訓には多く声点が差され、鎌倉初期国語アクセント資料としても有益な史料である。現代伝わる主な写本について、影印(写真版)と模写で掲載、各伝本と引用書についての論考と各種索引を付す。

目次

■本文編(影印[写真版]と模写で本文を掲載)

京都大学文学研究科図書館蔵本『倶舎論音義』
高野山大学図書館蔵金剛三昧院寄託本『倶舎論音義』
金沢文庫蔵本『倶舎論音義』(模写)

■論 考 編
高野山大学蔵本倶舎論音義について
金沢文庫本倶舎論音義について
京大転写本倶舎論音義のオ・ヲの仮名遣について
倶舎論音義の引用書について(一)(二)

■索 引 編
和訓索引
京大転写本差声訓索引
京大転写本所引小切韻索引
京大転写本被反切注字索引
引用書一覧

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