ショウチョウテンノウセイノケイセイトテイチャク

象徴天皇制の形成と定着

冨永望 著

  • 体裁
    A5判・316頁
  • 刊行年月
    2009年12月
  • ISBN
    978-4-7842-1492-1

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著者・編者略歴

とみなが・のぞむ……1974年生まれ.京都大学博士(文学).現在、大阪産業大学非常勤講師。主要論文に、「再軍備と統帥権問題」(『年報日本現代史』第9号,2004年)「戦後社会主義勢力と象徴天皇制」(『年報日本現代史』第11号,2006年)「「象徴天皇制」という言葉――用語の定着過程」(『史林』第59巻第5号,2006年) ほか

内容

これまで多くの人が論じながらも、明確な定義・起源をたどることをされてこなかった象徴天皇制がどのようにして形成され、社会に定着していったかを解明する。
「象徴天皇(制)」という言葉に着目して、この用語の使用法を検証し、さらに吉田茂の憲法運用と、それに異を唱える政治勢力や憲法学者の天皇観を明らかにすることで、象徴天皇制は新憲法の運用の積み重ねによって形成されたことを実証する、気鋭の書。

目次

序 章
 第一節 問題の設定
 第二節 「象徴天皇制」という言葉
 第三節 日本側の大日本帝国憲法改正案再考

第一章 一九四八年における昭和天皇の退位問題
 第一節 新憲法体制発足期の昭和天皇
 第二節 退位問題の発生と展開
 第三節 退位問題の帰結

第二章 吉田茂の新憲法運用
 第一節 「象徴」の位置づけ
 第二節 再軍備と統帥権問題
 第三節 憲法学界の反応

第三章 一九五〇年代の改憲問題
 第一節 保守勢力の改憲構想
 第二節 社会主義勢力の天皇観
 第三節 「象徴天皇」の普及

第四章 象徴天皇制の定着
 第一節 吉田式憲法運用の憲法の継承と発展
 第二節 改憲反対から護憲へ
 第三節 憲法問題の沈静化

終章

補論 「日本憲法の再検討」問題
 第一節 FECから見た憲法改正作業
 第二節 日本憲法の評価
 第三節 再検討の挫折

君主国憲法における君主規定[抜粋] 

あとがき

紹介媒体

  • 『日本歴史』第757号

    2011年6月1日

    小田部雄次

    書評と紹介

  • 『史林』第94巻第5号

    2011年9月30日

    河西秀哉

    書評

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