内容

 京都 究理堂を整備発展させた蘭医 小石元瑞(1784~1849)の医業は延べ患者数一万人を越え、生涯の入門者は千人にも達した。
 本書は究理堂での日常的な診療にあたって元瑞の傍ら近くにいた門人が、師の言説を克明に記録したもので、江戸末期の漢蘭折衷医の考え方などを知る上で貴重な新出資料。叢話の内容は薬理学、内科、外科、解剖学、生理学、病理学的事項から漢方・蘭学の対比ないしは漢方に対する批判にまで及ぶ。全文復刻をカラーにて掲載し、詳細な解説を付す(原本は高岡市立中央図書館蔵)。

目次

刊行に寄せて

Ⅰ復刻篇
凡例・影印

Ⅱ解説篇

はじめに
一.新出資料の概要について
二.資料の内容について
三.叢話の関係者の調査
 (1)戸上重較について
 (2)高橋煥について
 (3)佐渡三良について
 (4)戸上重較と佐渡三良を結ぶもの
四.戸上本の成立に関する若干の手がかり
五.佐渡家本叢話に関する小石中蔵の関与
おわりに

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