日本図書館協会選定図書
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著者・編者略歴

(いわい・しげき)・・・1969年奈良県生.総合研究大学院大学博士後期課程修了.学術博士.国際日本文化研究センター研究部技術補佐員.

内容

「恋は茶道の精神に反する」とされた-谷崎潤一郎の随筆にある興味深い一節をきっかけに、恋歌と茶道の関係を茶書や茶会記に探る。
茶会の掛物のほか、茶道具の銘に隠された「恋」を紹介し、なぜ恋歌が問題となり、また使われることもあったのかを明らかにする。

目次

まえがき― 茶と恋の出会い

第一章 茶書中に見られる恋への言説
はじめに
第一節 恋歌の忌避(1) 江戸時代の茶書
 (一) 『江岑夏書』
 (二) 『茶道要録』『茶道便蒙抄』
 (三) 『茶道望月集』
 (四) 『南方録』
 (五) 『茶湯秘抄』 
 (六) 『不白筆記』
 (七) 『(利休流)喫茶敲門瓦子』
 (八) 『表千家茶湯流伝書』
第二節 恋歌の忌避(2) 明治以後の茶書
 (一) 『茶の湯と生花』
(二) 『鉄中茶話』
 (三) 『茶道』
(四) 『掛物と日本生活』 (五) 『山田宗?全集』第一巻
 (六) 『茶道入門― 作法と心得』
 (七) 『茶の湯 掛物の四季』 
 (八) 『お茶の作法入門』
おわりに―恋の掛物は用いてもよいか?

第二章 恋の茶会― 恋の掛物をなぜ使うのか?
はじめに
第一節 掛物に関する若干の考察
― 季節感の誕生と染筆者尊重意識について
第二節 恋歌茶会の意味
 (一) 名物「小倉色紙」を用いた初期の茶会
(二) 小堀遠州の茶会
 (三) 紀州徳川家の茶会(利休二二○回忌追善茶会)
 (四) 利休居士二五○回忌追善茶会(玄々斎宗室の茶会)
 (五) 渡辺清(幽泉)の茶会
 (六) 益田英作(紅艶)の茶会
 (七) 益田孝(鈍翁)の茶会① 
 (八) 瓜生震(百里)の茶会
 (九) 高橋義雄(箒庵)の茶会 
(一○) 野崎広太(幻庵)の茶会
 (一一) 大正九年の「光悦会」①
 (一二) 大正九年の「光悦会」②
 (一三) 松風嘉定の茶会
 (一四) 益田孝(鈍翁)の茶会②
 (一五) 団琢磨(狸山)の茶会
 (一六) 粕谷徹三郎(半醒)の茶会
 (一七) 益田孝(鈍翁)の茶会③
 (一八) 山中松治郎(松篁)の茶会
 (一九) 松尾喜七(翠庵)の茶会
 (二〇) 利休居士三五○回忌追善茶会(淡々斎宗室の茶会)
おわりに―亭主が恋歌を掛ける時

第三章 銘の世界― 隠された恋の役割
はじめに
第一節 銘研究の現状と成果
第二節 歌銘についての分析
第三節 小堀遠州のたくらみ
 (一) 「飛鳥川」
 (二) 「釣 舟」
 (三) 「相 坂」
 (四) 「夏 山」
 (五) 「伊予簾」
 (六) 「玉 柏」
 (七) 「可 中」
おわりに―銘における恋とは何か?

第四章 恋とは何か?― 恋歌の本意と、千家流茶道にとっての恋歌
はじめに
第一節 恋の語源について
第二節 恋の本意とは?
第三節 千家が恋歌を掛ける訳
第四節 なぜ千家流茶道は恋歌を禁じたのか

おわりに―今後の課題と展望

あとがき 図表一覧 索引

紹介媒体

  • 中外日報26928号

    2006年9月23日

  • 淡交 2006年11月号

    2006年11月

  • 茶の湯(茶の湯同好会)393号

    2006年11月1日

    熊倉功夫

  • 日本文学 56巻2号(No.644)

    2007年2月10日

    錦仁

  • 『大阪人』2007年10月号(61巻10号)

    2007年10月1日

    佐伯順子

  • 『お茶の京都』(発行・発売 枻出版社)

    2018年3月20日

    立川直樹

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