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内容

塩業と醤油業における開発・経営・塩専売制・流通問題を細かく分析し、さらに塩業における燃料問題と労働条件を数量的に解明した基礎的研究の一書。

目次

序章 近世瀬戸内塩業史研究における問題の所在
 はじめに
 第1節 近世瀬戸内塩業史の研究動向
  1 日本塩業史研究における近世瀬戸内塩業史研究の意義
  2 近世瀬戸内塩業史研究における視点の推移
  3 近世瀬戸内塩業のながれ
 第2節 近世醤油史との関連研究の意義
  1 近世龍野醤油史の研究動向
  2 塩業史と醤油史の関連研究
 第3節 本研究論文の構成
  1 研究の目的と方法
  2 本研究論文の構成

第1編 近世後期の塩業と醤油業──塩田の開発・経営・塩専売制・流通問題──
 
 第1章 近世後期赤穂前川浜の開発
  はじめに
  第1節 文化・文政期の赤穂塩業の動向
   1 文化・文政期の全国的動向
   2 赤穂塩田の開発と前川浜
   3 赤穂藩塩専売制と前川家
  第2節 赤穂前川家の性格
   1 加里屋町の大年寄
   2 塩問屋「福田屋」
  第3節 前川浜の開発
   1 開発計画
   2 資本と塩田規模
  第4節 前川浜の経営
   1 前川家の前川三番浜の経営
  まとめ

 第2章 近世後期龍野醤油醸造業者の塩田経営
  はじめに
  第1節 龍野円尾家の性格
   1 円尾家と前川家の関係
   2 円尾家の本来的性格
   3 前川浜開発期前後の経営
  第2節 龍野円尾家の前川浜開発援助
   1 円尾家の資本参加──前川・円尾の共同経営──
   2 円尾家の労働力提供
  第3節 円尾家前川一番浜の経営
  まとめ

 第三章 龍野藩網干新在家浜と醤油造元
  はじめに
  第1節 網干新在家浜の成立
   1 網干新在家浜再開発の事情
   2 塩浜運営規定
  第2節 龍野醤油造元の網干新在家浜所有
   1 網干新在家浜の所有
   2 網干新在家浜の経営形態
  第3節 塩専売制の導入と醤油造元の対応
   1 藩の塩専売制導入計画
   2 醤油造元の専売制導入をめぐる対応
  まとめ

 第四章 近世後期における赤穂塩の流通と野田醤油
  はじめに
  第1節 関東方面向けの赤穂塩の性格
   1 西浜塩田地域と古浜塩
   2 東浜塩田地域と差塩
  第2節 野田醤油と赤穂塩
   1 幕末期野田醤油の赤穂塩使用
   2 野田醤油仕込用赤穂塩の性格
  第3節 野田醤油と下り塩仲買問屋
   1 赤穂塩廻船と古浜塩
   2 野田醤油と下り塩仲買問屋
  まとめ

第2編 近世後期の塩業の燃料問題と塩業労働──石炭導入と給銀分析──

 第1章 近世後期赤穂塩業の燃料革命
  はじめに
  第1節 石炭導入以前の赤穂塩田
   1 塩木供給地三石村
   2 赤穂移入薪価格の変動
  第2節 製塩燃料としての石炭の導入
   1 石炭試焚きの許可願い
   2 石炭試し焚きの実施
  第3節 石炭購入諸規定
   1 天保四年石炭取引法
   2 石炭取引法と礼銀規定
  第4節 『石炭冥加上納扣帳』の分析
   1 石炭冥加金上納規定
   2 石炭購入先・購入量の分析
  第5節 石炭取引法の確定
   1 嘉永5年石炭取引法
   2 石炭荷揚げ場所と漁場競合問題
  まとめ

 第二章 近世後期竹原の塩業労働者の給銀
  はじめに
  第1節 竹原の塩業労働者
   1 塩業労働者の出現の背景
   2 竹原塩田の概要と塩業労働者の階層的組織
   3 塩業労働者の格式と浜法
   4 塩田災害の実態
  第2節 塩業労働者の給銀の改定とその推移
   1 給銀規定
   2 給銀の推移
  第3節 塩業労働者の給銀分析
   1 階層別給銀前渡率の分析
   2 階層別給銀比率の分析
   3 階層別給銀相関関係の分析
  まとめ

 終章 本研究のまとめ

紹介媒体

  • 中国新聞朝刊

    2006年5月7日

    読書面

  • 社会経済史学会 第72巻2号

    2006年7月25日

    落合功

  • 地方史研究323号(56巻5号)

    2006年10月1日

    桑原功一

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