内容

人間の生活は商人による多様な交易によって支えられ営まれている。本書では、これらの商人や市に関わる人々の存在形態を、交易の発生から出雲・平城京・平安京などにおける都市空間の生活の場で解析し、日本古代における商人と商業の実態を明かす。

目次

序章 日本古代商業史序説

第1章 古代交易の発生
  物質の交易と流通
  『日本書紀』にみえる交易と商人
  市における交易

第2章 都城以前の市の成立と経営形態
  都城制以前の市と豪族の動向
  難波の市について
  海石榴市の検討

第3章 出雲地方にみる商人と民衆 
  出雲国意宇郡忌部神戸と商業
  出雲国嶋根郡朝酌の促戸の渡と商業
  遠距離交易と地方市

第4章 平城京東西市の建設と藤原不比等の経済政策
  平城京東西市の位置
  平城京東西市の設置プラン
  藤原不比等の経済政策

第5章 奈良時代の商人像
  古代「商人」の身分について
  皇親・五位と外五位の商業活動
  市人の変遷

第6章 奈良時代の市司就任氏族
  道鏡政権下における会賀市の開設
  市司山口佐美麻呂とその一族
  地方豪族の経済活動

第7章 市人・市籍人と市の構造
  市を構成する人々──市人・市籍人
  市の空間構造

第8章 平安京市町成立の構造
  平安京七条町の成立
  『地亭記』の世界    
  平安京市町の成立
  平安京市町の構造

第9章 東西市の空間構造と景観
  平安京の都市景観
  居住空間としての市
  市町四町の構成
  市屋の景観と内部構造

第10章 古代貨幣の本質と形態
  貨幣の概念
  初期における交換
  和同開珎の登場
  奈良時代の銭貨
  金属貨幣と地金価値
  皇朝十二銭の終焉

第11章 沽価法の性格とその変質
  法規定にみえる沽価
  沽価法の変質

第12章 古代商人と時間意識の成立
  国家と時間
  正倉院文書の中の時間
  寺院と時間
  商人と時間

終章 古代商業史研究の成果と課題

あとがき
『延喜式』にみる支払代価物
『平安遺文』にみる支払代価物
図表一覧
索引(人名・事項)

紹介媒体

  • 史学雑誌 第115編8号

    2006年8月20日

    吉松大志

    「新刊紹介」欄

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加