内容

かつて克服の対象としか見なされなかった前近代社会を、近代化の呪縛を脱した地平から見直し、周縁部分をテーマとすることによって、新たな前近代社会像を多面的に浮き彫りにする12篇。それぞれの時代のなかで、失ったもの、獲得したものは、それぞれの時代の社会構造のなかで考え位置づけるべきであり、各時代に存在する差別の構造的特質を明らかにすることは、その時代の社会全体のあり方を解明することに連なる、との観点から、方法を異にする日米の気鋭の研究者の討論を踏まえた成果。

目次

第1部 文化の諸相

集団帰属性と衣服(武田佐知子[大阪外国語大学])
鎌倉武士階級におけるジェンダー形成(田端泰子[京都橘女子大学])
山城国一揆再考 ─中世一揆の遺産─(マーチン・コルカット[プリンストン大学])
寄席と学び(まねび)(吉田伸之[東京大学])
近世社会における私的暴力と公的美徳(デイビット・ハウエル[プリンストン大学])
国益思想を作った商人 ─18世紀土佐の研究─(ルーク・S・ロバーツ[カリフォルニア州立大学サンタ・バーバラ校])
江戸中期の武士と商人 ─谷丹内の「日用米塩録」─(コンスタンティン・N・ヴァボリス[バルチモア郡立大学])


第2部 差別の諸相

考古学から見た動物と関わった人たち(松井章[奈良文化財研究所埋蔵文化財センター])
殺生禁断と殺生罪業観(平雅行[大阪大学])
中世芸能座の構造と差別(脇田晴子[城西国際大学])
近世身分制と被差別民をめぐる観念(脇田修[大阪歴史博物館])
巨大都市大坂と蔵屋敷 ─福岡藩蔵屋敷を中心に─(塚田孝[大阪市立大学])

紹介媒体

  • 史学雑誌 第115編7号

    2006年7月20日

    竹ノ内雅人

    新刊紹介欄

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