内容

律令国家体制の成立・展開期における養鷹の実態を究明して、放鷹文化の構造を解明。朝廷の放鷹が近隣諸国や日本国内の地方の放鷹と隔絶しているかのごとく理解されてきた従来の研究に対し、東アジアの国際情勢と照応しながら体制の内外を絶え間なく横断し展開する養鷹の社会的諸結合に現れた、朝鮮半島系と中国系という二極の放鷹文化の伝統意識を動態的に捉えることにより、単なる遊興の道具ではない放鷹文化の展開を明らかにする意欲作。

目次

第一章 官制的養鷹の二元性
 第一節 鷹戸の百済的伝統
  1 官制的養鷹の展開
  2 百済的伝統の実態
 第二節 鷹飼の二元的構成
  1 奈良初期の鷹戸削減
  2 諸衛府の鷹所と鷹飼
第二章 国司養鷹の展開
 第一節 貢鷹制度の基盤
  1 貢鷹・御覧・班給
  2 貢鷹国の分布と渡来人
 第二節 養鷹の社会的結合
  1 奈良初期の養鷹統制
  2 国司養鷹と「養吏」
  3 国司養鷹と祭祀 
第三章 養鷹の統合と天皇
 第一節 蔵人所鷹飼の成立
  1 桓武朝の鷹戸廃止
  2 鷹飼の蔵人所専属
 第二節 養鷹の禁制
  1 禁制の対象
  2 禁制の違犯
 第三節 養鷹の勅許
  1 勅許と遊猟
  2 勅許の対象
終 章
主要史料出典刊本一覧
参考文献一覧
あとがき

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