ダーティントンコクサイコウゲイカカイギホウコクショ

ダーティントン国際工芸家会議報告書

陶芸と染織 1952年

ダーティントン・ホール・トラスト 編

ピーター・コックス 編

藤田治彦 監訳

  • 体裁
    A5判上製・590頁
  • 刊行年月
    2003年04月
  • ISBN
    4784211411

内容

1952年7月17日から27日にかけて、イギリス南西部にあるエルムハースト夫妻主宰のダーティントン・ホールにおいて、バーナード・リーチを中心に17か国122名が参加する国際工芸家会議が開催された。当時のリーフレットから、テーマは工業化社会における工芸家の役割、工芸と芸術との関わり、工芸教育、工芸批評の確立などであったことがわかる。同時にアーツ・カウンシル共催の展覧会も開かれた。日本からは毎日新聞社の文化使節として柳宗悦と濱田庄司が参加したが、柳の二つの講演と濱田の轆轤成形の実演は欧米の参加者に深い印象を残した。産業化がますます進み、デザイナーが確立していくなか、スタジオ・クラフトや小さな工房のありかたをめぐって熱心な討議がなされた。本文篇で翻訳を、資料篇で原典および関連資料を掲載した。

目次

日本語版への序 デイヴィッド・リーチ/柳宗理/ピーター・コックス

《本文篇》
まえがき*ピーター・コックス
1. ダーティントン*レナード・エルムハースト
2. イントロダクション*ピーター・コックス他
3. 現代の陶芸家*バーナード・リーチ
4. 日本人の工芸に対する見方*柳宗悦
5. 優れた染織工芸について*A・E・サザン
6. 最初の一歩*マリアンネ・シュトラウプ
7. 手仕事のための糸紡ぎ*オーガッタ・ポルト
8. 新しい世界における陶芸家*マルゲリーテ・ヴィルデンハイン
9. フィンランドとスウェーデンにおける現代陶芸と陶芸家*クルト・エクホルム
10. 工芸と現代芸術との関係*パトリック・ヘロン
11. 科学の進歩と工芸家による応用*マイケル・カーデュー
12. 陶芸家のための科学*エドワード・バーク
13. 佛教美学*柳宗悦
14. 工芸家と繊維産業*アレック・ハンター
15. 討論:小さな作業場
16. スイス・ハイマートヴェルクの組織*アグネス・ラウアー
17. 子どもたち*ロビン・タナー
18. ユネスコの基礎教育プログラム*ジョン・バワーズ
19. 工芸家における統合*バーナード・リーチ
20. まとめ*柳宗悦
述懐*ジョセップ・リョーレンス・アルティガス
21. 最終討論

《付録A》プログラム
《付録B》参加者名簿
《付録C》テキスタイルの工芸家たちへの講話*エヴァ・アンティラ

《資料篇》
The Report of the International Coference of Craftsmen in Pottery & Textiles(本書の原典)
Catalogue of an exhibition of Pottery and Textiles 1920-1952(展覧会カタログ)
柳宗悦「国際工芸家会議」(『毎日新聞』昭和27年8月21日掲載)
バーナード・リーチ「東洋からの内からの声」(『毎日新聞』昭和27年9月2日掲載)


《解説》
ダーティントン・ホールと1952年国際工芸家会議*藤田治彦

  • このエントリーをはてなブックマークに追加