内容

20世紀の経済・社会・文化について、大阪経済大学の教員が多様な角度から論じ21世紀を展望する論文集

目次

20世紀国際通貨制度の回顧と展望 松村文武
19・20世紀の覇権国という特定の国民国家の通貨による国際通貨から、20世紀末のヨーロッパ共通通貨「ユーロ」の誕生をふまえて、21世紀に円・元協調の「アジア共通通貨(ARJI)の導入を提言

集権の20世紀から分権の21世紀へ 重森 暁  
日本における20世紀までの柔構造的集権制から、21世紀には地方分権による柔構造的分権制への転換をすすめるべきだと主張

20世紀の社会保障-自由社会の生活保障の生誕-土井乙平
20世紀は社会保障生誕の世紀であり、1940年代のイギリス「ベヴァリジ報告」が社会保障の理論と政策の起点であることを明らかにする

ロシア革命とカウツキー 上島 武  
ロシア革命の再検討と20世紀マルクス主義の総括の第一歩として、カウツキーのロシア革命論を取り上げる

20世紀後半の農法史研究と日本農業 徳永光俊  
20世紀の欧米農学を日本風にアレンジした農学から、21世紀には日本列島の風土と歴史に根ざした日本農学の構築が必要であることを強調し、その際戦前期植民地の「朝鮮農試グループ」の仕事に学ぶべきだとする  

『対話・現代アメリカ思想』のためのプログラム 山本晴義
20世紀後半のアメリカの社会思想状況の変化を、「アメリカ・リベラリズム」の発展と崩壊、そして「新保守主義」と「マルクス主義」の展開として、対話風にまとめる

コンピュータ文明を問い直す 西山 豊
「コンピュータ文明」に対する無批判的状況を憂え警鐘を鳴らし、「複雑系」のアプローチの手法に期待する

民族自決から民族共存へ-北アイルランド和平にみる-山本正
北アイルランドの和平プロセスを丹念に追いながら、1998年の「ベルファスト合意」の精神が、「民族自決」ではなく「民族共存」をめざす21世紀の世界にとって重要なリファレンスになると主張

明治維新史研究の過去と現在-対幕府研究を軸にして-家近良樹  
対幕府研究を軸にして明治維新史研究をふり返り、1980年代以降、弱点をもちつつも、明治維新を薩長の維新だとする視点から相対的に捉えることが可能になってきたとし、政治史の分野から明治以後の日本近代史を相対化していくための論点を提言

紹介媒体

  • 朝日新聞夕刊

    2000年8月12日

  • 日経ビジネス

    2000年8月7日

  • 読売新聞

    2000年7月27日

  • 産経新聞

    2001年1月4日

    「文化」欄

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