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内容

甲斐武田氏を素材にして、戦国時代の国境の在り方、棒道に代表される道の意味、国人領主を支配下に組み込む過程、さらに民衆の側から見た戦国大名、職人・商人の支配構造を明らかにしていく論考14篇。従来の研究に対し「あまりに武田氏の権力を大きく評価しすぎたのではないか」とする著者は、いくつかの問題を投げかけている。

目次

第一章 国境と道

武田氏と国境
 一 武田氏の国中支配と衆
 二 郡内領の国境と武田氏
 三 河内領の国境と武田氏
 四 信濃と国境

堺川の位置をめぐって
 一 従来の説について
 二 史料から見た堺川
 三 その他の史料などから見た国境

棒道についての一考察
 一 これまでの研究
 二 棒道の史料と問題点

再び棒道について―柴辻俊六氏の批判に応えて―
 一 高見沢文書を中心として
 二 高見沢文書に見える勧進について
 三 高見沢文書の内容への疑問
 四 柴辻氏の棒道論について


第二章 国人領主と武田氏

小山田氏と武田氏―外交を中心として―
 一 国人領主小山田氏の発展
 二 郡内の領主として
 三 武田氏への臣従
 四 武田氏配下の小山田氏

早川流域地方と穴山氏
 一 穴山氏と早川材
 二 檜物師
 三 下山番匠
 四 金山開発

武田氏侵入以前の木曽氏について
 一 通説に見る武田侵入以前の木曽氏
 二 史料からみた武田氏侵入以前の木曽氏
 三 武田氏侵入以前の木曽氏の性格

武田氏の木曽侵入をめぐって
 一 武田氏と木曽氏との接触
 二 武田晴信の木曽侵入
 三 鳥居峠以北と木曽氏の勢力
 四 武田晴信の戦略について


第三章 民衆の支配

武田氏の郷村支配について
 一 甲斐の郷とその機能
 二 小領主と郷
 三 武田氏による惣郷機能の吸収
 四 棟別役と郷
 五 郷役と自治

武田文書に見える「地下人」について
 一 武田文書中の地下人・百姓・貴賤
 二 『甲陽軍艦』・『妙法寺記』中の地下人


第四章 職人・商人との関係

戦国大名の職人支配―武田氏を例として―
 一 武田氏の支配職人
 二 職人支配の方法
 三 職人支配と国支配

武田氏の金山支配をめぐって
 一 武田氏の関係した金山について
 二 金山は武田氏の直轄領なのか
 三 金山開発の時期と最盛期について
 四 鉱山技術について
 五 金山衆の性格について

武田氏の商人支配
 一 御蔵前衆中の商人
 二 武田領国の通行権と商人
   ―永禄二年付「分国商売之諸役免許書出」について―
 三 甲斐の商人

戦国時代の職人・商人―甲斐を事例として―
 一 戦国時代の甲斐の職人・商人の居住地
 二 職人の特質と居住地
 三 商人の特質と居住地
 四 武田氏と職人
 五 武田氏と商人


初出一覧
あとがき
索引(人名・事項)

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