ケースに多少の汚れ・傷みがございます。ネット書店ではご注文できません。営業部(pub@shibunkaku.co.jp)へご注文願います。

内容

三浦按針を乗せたリーフデ号の漂着から、徳川鎖国・オランダ東インド会社の解散・外国船打払令を経て、開国に至る二世紀半の対外関係史の要をなす日蘭交渉史の知られざる諸局面を、主として在外未刊行史料に基づき実証する論考13篇に、通史・史料を添える。永年東京大学史料編纂所で在外日本関係史料の研究に携わった著者ならではの論考。

目次



Ⅰ 通史

 第1章 日本と外国
  1 日本人の海外知識
     三国史観/アジアのなかの日本/キリシタン世紀/鎖国時代の海外知識/19世紀
  2 外国人の見た日本
     東夷日本/世界地図上の日本/エイズス会型日本観/オランダ商館型日本観/啓蒙思想と日本/開国以後の日本学/現代世界の日本認識

 第2章 オランダ東インド会社と日本
  はしがき
  1 オランダ人と日本人の出合い
     a 日本人とヨーロッパ人、1543-1609年
       いわゆる日本発見/キリシタン世紀/南蛮貿易/リーフデ号の来着/VOCと日本との接触の初め
     b 平戸の商館、1609-1641年
       スペックスと平戸の商館/英国の会社と日本/貿易地の制限と英蘭同盟/1620年代、鼎立状態/ヌイツと平蔵、タイオワン事件/ポルトガル人に対する入国禁止/平戸オランダ商館の終末
  2 鎖国日本とオランダ
     a VOCの長崎貿易、1641-1798年
       出島の機能/鎖国の影響/長崎貿易の形態/夢と現実/将軍の貿易統制/VOCの解散
     b VOC以後の長崎貿易、1798-1860年
       中立外国船傭い入れ/ヘンドリック・ドゥフの敏腕/イギリス人からの脅威/シーボルト事件/日本諸港再開の勧告/開国
  3 日本とオランダの知的交流
     a 実用主義、1641-1800年
       南蛮学から蘭学へ/ケンプェルの経験/1774年、西洋研究の曙光、蘭学の普及/ハルマの辞典
     b 世界大の意識へ、1800-1860年
       蘭学に対する政府の後援/シーボルトと日本/進歩と反動/その後の西洋学における制度的展開/オランダにおける日本研究
  むすび
  主要参考文献

Ⅱ 日蘭交渉史の諸問題
 
 第3章 貿易と外交
  1 紅毛渡来
  2 平戸の商館
  3 関東の南蛮人
  4 「鎖国」への道
  5 貿易と外交

 第4章 ニコラース・ポイクの駿府旅行記──三浦按針(ウィリアム・アダムス)に関する新史料
  序説
  1 従来の知見
  2 ポイク旅行記の内容
  3 ポイク旅行記の伝来
  釈文

 第5章 三浦按針(ウィリアム・アダムス)蘭文書翰考
  1 序説
  2 翻字と翻訳
  3 考察

 第6章 ヘンドリック・アレントセンとヤン・ド・フォスの五島体験記
  1 クーケバッケルと沿海探検
  2 五島探検記の概要

 第7章 ジャガタラ文の発見と紹介
  1 鎖国後のバタフィアとの文通
  2 ジャガタラ文の発見と紹介
  3 木田藤右衛門口書写附評説

 第8章 ヤン・クランスの江戸参府
  1 序説付平戸長崎オランダ商館長江戸参府一覧
  2 ヤン・クランス日記抄

 第9章 中立国傭船期の日蘭貿易──ひとつの序説──
  はしがき
  1 中立国傭船の前提条件
    a 江戸幕府の貿易制限
    b フランス革命とオランダ東インド会社
    c 中立国側の諸条件
  2 中立国傭船の形態
    a 史料の残存状況
    b 傭船の実態
    c 中立国傭船の歴史的意味
 
 第10章 寛永9年アメリカ傭船イライザ号初度の長崎来航
  はじめに──中立国傭船の時代──
  1 傭船契約の成立──海事法上の一事例──
  2 バタフィア訓令と風説書──不安の連鎖──
  3 異国傭船の衝撃──商館長と通詞仲間──
 
 第11章 クリーヴランド家の人々

 第12章 東京大学資料編纂所所蔵箕作家旧蔵蘭書考
  1 菊池家と箕作家
  2 箕作家旧蔵蘭書の内容
  3 注目すべき書籍若干
  あとがき

Ⅲ 日蘭交渉史の在外史料

 第13章 ルートウィヒ・リースと日本関係海外史料
  はじめに
  1 渡辺総長への進言、1888年
  2 ヨーロッパでの採訪、1893年
  3 近世対外関係史の模範
  むすび

 第14章 ドンクル=キュルシウスのもうひとつの貢献
  はじめに
  1 オランダ東インド会社の日本関係文書
  2 植民大臣の訓令とオランダの古文書管理
  3 ヘーグ国立文書館の日本商館文書
  むすび

 第15章 出島商館文書目録余録

 第16章 オランダ東インド会社出島商館文書中に残存する日本語文書について
  1 序説
  2 長崎商館伝来文書及び若干の私文書中の日本語文書目録
     A 出島商館伝来文書第1部(1614-1831)
     B 出島商館伝来文書第2部(1609-1842)
     C 出島商館文書第3部(1800-1860)
     D コック=ブロフホフ家旧蔵文書(1907年受入第36号文書)
     E アムステルダム本社受領文書(1607-1794)
     F 出所不明絵図類
 
 第17章 長崎オランダ商館旧蔵日本語及び中国語文書
  1 まえがき
  2 目録
  3 釈文
  跋

 英文要旨
 索引

  • このエントリーをはてなブックマークに追加