内容

『南北朝史論』によって南北朝史家としての地位を不動のものにした著者の永年の業績を新たな加筆・訂正を補って集大成。古文書・古記録を通して実証につらぬかれた歴史眼がすみずみまで窺える。第4巻「證註椿葉記」や第7巻「風塵録」は貴重な史料の紹介・翻刻である。

目次

第一章 南北朝史上の諸問題
 南北朝問題の研究と展望
 南北朝動乱に関する学説
 皇統に関する熊澤一派の俗論を筆誅する
 続史愚抄の南北朝観
 中村博士の南北朝研究における代表的著書
 南北朝の神器
 建武中興に於ける信濃の国司と守護
 建武中興と飛騨国司・飛騨守護の成立

第二章 動乱の世の人々の事跡
 後醍醐天皇
 後醍醐天皇-親政の実相-
 後村上天皇御事跡草案
 後村上天皇の琵琶秘曲相伝の史実
 長慶天皇に於ける武田博士の功績
 後小松天皇の御遺詔
 伏見宮栄仁親王の二皇子に関する史実
 楠公論対話
 足利氏の興起
 佐野學氏の尊氏論
 兼好法師

第三章 史籍論究
 神皇正統記
 神皇正統記における正統の意義
 嘉喜門院集解説
 太平記について
 太平記の史実

第四章 古文書研究
 北朝天皇宸翰概要
 南朝関係五條家文書の研究
 出雲における南朝史料
 南北朝に生きた人々の筆の跡
 楠文書の研究
 
第五章 史蹟及び遺跡
 吉野概説
 吉野
 石津の合戦
 大雄寺遺跡の廃滅
 観心寺中院調査報告書草案


原稿著作一覧
あとがき

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