内容

日本における染色学界の大先達であり、最長老である著者の永年にわたる研究の集大成。科学という専門を基に、古い文献の渉猟、日本はもちろん中国・インド・中近東・ペルシャ・インドネシア等の広汎な研究は世界的にも評価されているものである。現代染職家にとって必須の書。

目次

村々の民俗と染色

  □序説
     はしがき
     衣服の起源

  □京都周辺
     大原女その他
       畑の婆を尋ねて
       大原女の野良着その他
       大原女の野良着と蝮
       白川女の花売姿について
       上賀茂の人たち
       冬の上賀茂
       岩倉村・木野のカワラケ
       京都の赤い着物とお呪
       清滝にて
       嵯峨の野良着
       藍染と蝮-嵯峨にて再調査-
       桂附近の紺染について
       桂より亀岡へー老の坂峠を越えて-
     丹波より丹後
       園部にて
       殿田にて
       世屋村にて
     丹波・立杭より佐治
       立杭
       篠山
       佐治
     思い出の地、丹波
       綾部
       福住周辺の調査
       兵庫県氷上町にて
       多可郡中町附近の紺と蝮
     京都南東部周辺
       宇治附近の紺染と蝮
       京都南部の野良着について
       藍染の調査のむすび

  □琵琶湖周辺
     湖東
       草津附近の藍染と野良着
       野洲郡の紺屋に関する調査
       森卯紺屋にての調査
       野洲郡河西村の青花紙
       野洲附近の農衣
       信楽の窯場にて
       水口町周辺の紺染
       蒲生都大路村の藍染と蝮
       武佐とその周辺
       愛知川の紺と蝮
       神崎郡永源寺て
       多賀町の佐目・大君ケ畑調査
     湖西・湖北方面
       雄琴温泉附近の農衣
       青柳キャンプ村にて
       坂本の紺染
       途中村の藍染と「しょうず」の紺屋
       途中部落の再調査
       葛川・朽木周辺の農衣と蝮
       琵琶湖北西地方の農衣
       湖北の村々
       塩津にて

  □東日本方面
     北陸地方
       新潟の火事と赤い腰巻その他
       越後平野の紺の野良着と蝮
       長岡市周辺部の農衣
       魚沼三郡の紺と蝮のことなど
       刈羽郡二田村附近の農衣
       西頸城郡能生の場合
       出雲崎町の赤い褌を尋ねて
       柏崎市下宿附近の赤褌
       魚津から黒部へ
       越中八尾町附近の農衣
       八尾町の赤い紙のお呪
       富山から能登半島を経て加賀へ
       石川県鶴来町の藍染と蝮
       山代温泉にて
       福井県大野郡北谷町小原の藍染
       岡本村の紙漉場にて
       越前の糠方面の赤褌と紺染
       敦賀の鱶除けと蝮除け
       小浜港の赤い褌について
     東海・信越方面
       岐阜市周辺の紺と蝮
       飛騨・高山の高山祭と赤土
       伊勢・相差の赤褌について
       知多半島・武豊周辺の紺染と蝮
       岡崎市周辺の紺染と蝮の土俗
       長野県伊那地方の紺染と蝮
     関東地方
       東京の赤い腰巻
       赤シャツのお呪
       東京の紅療法についての一報告
       九十九里浜の漁師の褌
       高萩炭坑周辺の聞き書
       千葉の農衣と蝮
     東北・北海道方面
       盛岡在の紺染と蝮
       山形より秋田へ-最上紅と鹿角紫を尋ねて-
       京紅追想
       エゾ文化財保存研究会にての聞き書
       日高のアイヌと藍染
  □山陰地方
     鳥取の周辺
       鳥取の紺絣について
       米子地方の絣
       鳥取市賀露港の赤褌鹿
       野町周辺の農衣
     出雲方面
       出雲地方の紺染
       加賀の赤褌について
       美保関にての調査と大根島
       穴道から宇竜へ
       松江の田中紺屋の話
       八束郡武村の藤布
       出雲の古文書に見る昔の藍染
       出雲の方言についての一考察
     石見・長門方面
       紙布、藤布の農衣を尋ねて
       萩にて
       三隅にて
       津和野にて
  □大阪・奈良・和歌山周辺
     摂津、河内ところどころ
       藍の解毒についての実験談
       高槻市周辺の農衣の染色とその土俗
       茨木市山間部の調査
       池田市周辺の紺と蝮
       兵庫県東部の藍と蝮に関する土俗
       西能勢の奥へ
       歌垣村にて
       天王にて
       交野の秋に農衣を尋ねて
       河内木綿のあとを尋ねて
       河内木綿その後
       天王寺「阿波安」紺屋聞き書
       南河内滝畑村の山着について
       ふたたび滝畑村のことなど
     大和周辺
       吉野郡国樔村の農衣
       耳成村の農衣
       三重県一志郡大三村八千山の農衣
       大和五条山の農衣
       笠置、月ヶ瀬より伊賀の丸柱へ
     志摩・伊勢方面
       志摩の海女
       「あま」のことなど
       志摩郡片田村の海女の作業衣
       蘇民将来と片田村
       私の郷里の蘇民将来の星印について
       海女の服色
       赤い腰巻と赤い褌
       江戸末期の紺木綿について
       松阪産の木綿
     和泉より和歌山へ
       堺市金岡町の農衣について
       和歌山市周辺の紺染と蝮
       熊野路に浜木綿を尋ねて
       浜木綿について
       浜木綿の織物についての現地調査
       その後の諸調査
       織物に関する実験
       高野山麓、下古沢の紙渡場にて

 編集後記
 索引

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