内容

日本における染色学界の大先達であり、最長老である著者の永年にわたる研究の集大成。科学という専門を基に、古い文献の渉猟、日本はもちろん中国・インド・中近東・ペルシャ・インドネシア等の広汎な研究は世界的にも評価されているものである。現代染職家にとって必須の書。

目次

東方染色文化の研究

 序説

 東方上代色料史序論
  1 上代色料発見の径路
  2 上代に於ける色料使用の目的

 東方上代色料概観
  1 西亜細亜
  2 印度(上)
  3 印度(下)
  4 中国(上)
  5 中国(中)
  6 中国(下)

 我国上代色料概観
  1 仏教伝来以前
    古事記に現れたる色料/其他の色料
  2 仏教伝来以後
    顔料/染料
  3 上代顔料の成分、性質等について
  4 近代顔料の種類成分及び性質等について

 上代顔料に関する研究
  1 蜜陀僧の源流、附、べにとおしろい
  2 東洋壁画の源流に対する一考察
  3 色料より見たる藤原時代の建築
  4 上代類料の色相変化について
  5 土俗上の色彩とその意味
    黒/白/赤及び黄
  6 藍より見たる東方上代文化の交流
    阿波藍の製法/流球藍の製法/我国上代の藍染法/中国上代の藍について/印度上代の製藍法と南中国/結論
  7 藍及び藍染の研究
  跋

民族と染色文化

 序説
  1 戦時下の染色文化
  2 山藍と蘇芳
  3 茜染の伝来とタミ-ル及び印度
  4 紅染と燕国及び匈奴
  5 我が国に於ける染色文化の発展
  6 我が国染色文化の将来について
 
 日本の染色文化と南方諸国
  1 概説
  2 我が国と南方諸国との関係-南蛮又は蛮のこと
  3 我が国染色文化変遷の大要
  4 我が国上代染色の概要と南方系の染料
  5 平安時代の染色と南方系染料
  6 鎌倉時代乃至室町時代の染色と南方諸国
  7 江戸時代の染色と捺染-南方系の更紗染その他
  8 明治初年の染色と南方系染料
  9 南方系染料及び染色に関する二、三の考察
    山藍染-天孫民族との関係/蘇芳と丹木/蜀紅錦及び広東錦/阿仙薬につきて
  10 結語
  11 追記 南方諸民族の染色文化の将来

 江戸時代の染料とその染色
  1 染料に関する調査
  2 染色に関する実験的研究

 明治初年の農山漁村の染色
  1 農山漁村と染色
  2 天然染料の無尽蔵なることなど
  3 染料及び染色に関する調査

 民族的染色文化に関する二、三の考察
  1 アイヌ染色紀聞-その染色文化と大陸との関係を想ふ
  2 祭と染色-宣命紙について
  3 馬具染色考
  4 伊勢白子の型紙について

 郷土染色その他
  1 アイヌのおんこ染
  2 アイヌの黒染と赤染
  3 琉球の梅染と加賀の梅染
  4 阿波藍の製法
  5 八丈絹の説
  6 ペルシヤの玉葱染と柘榴染
  7 琉球の染色
  8 続琉球の染色
    はしのみ染/唐保奴貴染/田ろし染/水粉/附記

編集後記

索引

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