谷文晁展-記録としての絵画

先日、サントリー美術館で開催されている「生誕250周年 谷文晁展」に行って参りました。
展示構成は、「この絵師、何者!?」というキャッチコピーの通り、彼の様々な画風や交友関係を
紹介し、谷文晁の実像にせまろうとするもの。
谷文晁展
中でも松平定信の御用絵師としての活躍が大きく取り上げられていたように思います。
定信に同行し各地を巡った際の写生や、定信の命を受け全国に伝わる古文化財を調査した際の
模写と記録等が特に印象的でした。
私たちも調査の際に写真を撮り記録しますが、カメラの普及していなかった当時は模写でそれ
と同じことをしていたのでしょう。
美術品を扱う立場にいる者として、先人たちとの繋がりのようなものを感じられました。
同時に、テクノロジーが発達した今ではほとんどなくなってしまった、模写による記録伝達に
レトロな魅力を感じ不思議な昂揚感を味わいました。
私はこのような当時の人の生活を感じられるものにどうにも惹かれてしまいます。
探幽縮図改
探幽縮図(和の美476号所載)
余談ですが、今月の弊社目録「和の美」476号で紹介しております作品「探幽縮図」 も、
狩野探幽が鑑定の際に模写をしたもの。
この訪館の直前まで目録の編集作業をしていたため、感じ入るものが多い展覧会でした。
「生誕250周年 谷文晁」展
2013年7月3日(水)~8月25日(日)
サントリー美術館(http://www.suntory.co.jp/sma/
(鈴鹿)